古田大輔記者稲垣康介編集委員阿久津篤史記者平井隆介記者柴田真宏・リオデジャネイロ支局長中村真理記者 2020年夏季五輪の開催地は東京に決まった。直前までマドリード優勢の情報があった。アルゼンチン・ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会を取材していた朝日新聞記者たちも、「東京は苦しい」と感じていた。勝因は何だったのか。再び記者座談会を開き、検証した。 ■決戦前夜、切り札が登場 古田大輔 東京が事前の予想を覆した要因はなにか。 稲垣康介 投票日前日の7日(日本時間)のコラムに書いたが、総会前夜の晩餐(ばんさん)会で流れが変わったと感じた。安倍晋三首相と高円宮妃久子さまが参加し、IOC委員たちに自ら話しかけて積極的に交流していた。前回、当時の石原慎太郎都知事や森喜朗首相が「壁の花」のように動きが乏しかったのとは違った。 阿久津篤史 久子さまの参加が大きかった。IOC委員は王室