#「バルセロナほど羨ましいクラブはない」。 心底、そう思ったのは2009年5月。UEFA CL優勝を果たした時だ。厳密には「バルサ・サポーターほど羨ましいヤツらはいない」。何故なら、この試合の先発の7人がカンテラ(下部組織)出身で、メッシとイニエスタ以外は地元・カタルーニャ出身。しかも、監督もカンテラ出身の元選手で、黄金時代の中心選手だった人物。これほどの条件が揃うなんて、フィクションだとしたら出来過ぎで陳腐なファンタジーだ。国やリーグは違っても愛するクラブを持つサポーターの1人として、「こんなのが実現しちゃったら、もう、バルサ・サポーターはたまんねぇだろうなぁ」と思わざるを得なかった。 本書の主人公は、その’リアル・ファンタジー’の中心人物の現バルサ監督、ジョゼップ・’ペップ’・グアルディオラ。今、世界で最も成功している監督の1人だ。テーマは、”監督就任前から既にバルサのシンボル”であり
バルセロナはこれまでの伝統を破り、ユニホームに商用のロゴを入れることになる【Getty Images】 スペイン人は“ムーア人(北西アフリカのイスラム教徒)とユダヤ人の血液”が流れているとよく言われるが、人々にもそうした意識がある。事実、スペインがあるイベリア半島は、アラブ世界と愛憎入り混じる深いつながりがあった。彼らの支配下にあった時代があり、いまだに“アル=アンダルス”と呼ばれるイスラム勢力の影響が色濃く残る地域は存在している。 そう遠くない昔の2004年3月11日、マドリーの町はイスラム過激派、アルカーイダの恐ろしい攻撃に苦しんだ。マドリー市のアトーチャ駅などで起こった列車爆破事件により、数百人の罪のない人々が犠牲になったのだ。この事件は、その週に行われた選挙の結果にも影響を及ぼし、スペイン社会労働党のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロが予期せぬ勝利を収めた。 そうした微妙な関係
モリーニョ(右)とレアル・マドリーの契約は最後まで全うされるか【Real Madrid via Getty Images】 2010−11シーズンは折り返し地点を過ぎた。前半戦でいいスタートを切ったクラブもあれば、失敗したクラブ、残留争いに巻き込まれているクラブなど、状況はさまざまだ。サッカー界で世界最高の監督とみなされているジョゼ・モリーニョにとっては、今季から率いるレアル・マドリーの特徴をようやく、つかんだところだろうか。 “白い巨人”(レアル・マドリーの愛称)のここまでの戦いぶりを見てみると、今季は指揮官が代わった上に新加入選手が多かったこともあり、まだチームとしての戦い方を確立している最中という印象を受ける。クラブとモリーニョの関係も、ボクシングの第1ラウンドのように様子見の状態だ。重要なのは、最終的な結果である。監督は時に弱い立場にあるが(特にこのビッグクラブでは)、引く手あま
リーガ・エスパニョーラには変革が必要だ。2010−11シーズンは折り返し地点を過ぎ、リーガ史上最高となる勝ち点52を挙げたバルセロナが“冬の王者”に決定した。勝ち点4差でレアル・マドリーが続き、3位のビジャレアルは首位と13差、4位のバレンシアは同15差である。ここ数年の傾向ではあるが、もはやリーガは2強とそれ以外の18チームに分断されてしまった。今季の優勝の可能性は、バルセロナとレアル・マドリーに絞られたと言っていいだろう。あとの18チームにとっては、来季のチャンピオンズリーグ(CL)予備戦、あるいはヨーロッパリーグの出場権を懸けた戦いとなる。 だが、一巡を終えてバルセロナが57ポイントのうち、わずか5ポイントしか失っておらず(シーズン序盤にホームのカンプ・ノウで昇格組のエルクレスに敗れるという波乱がなければ、失った勝ち点はもっと少なかった)、レアル・マドリーも9ポイント失っているのみ
ペップ:「最大の難関を最高の形でパスした」2010年12月19日09時34分 提供: 18日のリーガエスパニョーラ第16節、バルセロナはアウェーでのエスパニョールとのダービーで、5−1の大勝を飾った。ジョゼップ・グアルディオラ監督は試合後、ホーム全勝を貫いていたエスパニョールを下したことへの満足感を表した。スペイン『スポルト』がコメントを伝えた。「今季最大の難関を最高の形でパスした。バルサが勝利したのは同じ都市のライバル以上のチームであり、その事実こそが重要なんだ」「彼らはホームにも関わらずチャンスをつくり出せず、単発的に2度の決定機を得ただけった。私たちが彼らの攻撃を封じ込んだんだ。私たちにとって偉大な夜となった」ここ最近の試合で大量得点による勝利を実現しているバルセロナだが、グアルディオラ監督はいつか終わりが来ることだという見解を示した。「大量得点での勝利は、すべて私たちに依存している
バルセロナは高いボールポゼッション、シャビ(写真)を中心としたパスワークでライバルを圧倒した【Getty Images】 そこに試合はなかった。世界中の期待を集め、誰もがその対決の目撃者となることを望んだ一戦は、キックオフの笛が鳴りボールが動いたその瞬間に、サッカーを愛する人々にとって幻想のものとなった。めったに起こることではないが、それほどバルセロナは相手を圧倒していたのである。5−0という結果に異論が起こる余地もないほど、当の選手たちでさえ、その大きな差を認めざるを得ない敗北だった。そして、敗者はほかでもない、あのレアル・マドリーだったのだ。9度の欧州王者に輝き、近年は巨額をつぎ込んで地球上のベストプレーヤーを買い集めてきた“エル・ブランコ”(白い巨人)である。 だからこそ、リーガ・エスパニョーラをリードする二大巨頭の、そのスポーツ哲学の違いが際立って見えた。1つは、近年では珍しくな
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