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「日本史上最良のとき」を生きた芸術家 巨星墜つ。坂本龍一が亡くなった。 坂本の死をめぐって、いますでに、その偉大な歩みを総括するたくさんの記事が公開されたあとだろう。私も、それらの著者と同様に、坂本の逝去を心から悼むひとりである。 この記事は、ふたつの意味で、後追いである。多くの記事は、坂本が生きた同時代を並走し関係を持った然るべき人々が書いている。そんな中、編集部が私にくれた依頼はこうだった。私や、さらに下の若い世代にとって、坂本龍一とはなんだったか。すなわち、坂本龍一に「後追い」世代が言えることはなにか。そう、私は坂本龍一の最良のときをリアルタイムでは知らない「後追い世代」なのだ。 「その最良のときを知らない」。その思いが、長年坂本の活動を追ってきた自分の感情と距離意識を、複雑なものにしている。そしてそれは、あなたが日本という国家に抱く感情と、少し似ていたりはしないだろうか。 坂本龍一
記事:平凡社 坂本龍一さん(2013年5月撮影) 撮影:榎本佳嗣 書籍情報はこちら バッハの「マタイ受難曲」を聴くと、まさに「音楽に救われる」という感じがする ――東日本大震災と原発事故はだれしもにとってたいへんショッキングなできごとだったと思います。坂本さんはどうお過ごしでしたか。 坂本龍一:うーん……、直後はやっぱり、音楽を聴く気になれませんでした。 ――音楽家の方でも、音楽が聴けなくなるんですか。 坂本:ええ、(音楽家には)きっとそういう人は多いと思いますよ。それで、ずいぶんと経ってから……、ひと月ほど経ってからかな、やっと聴いてみようかなと思ったのは。 ――そのときに、慰めや励ましになったもの、あらためて立ちかえったものってありますか。 坂本:それは、やっぱりどうしてもバッハの「マタイ受難曲」です。僕のまわりの音楽好きでも同じようにいう人は多いけれど、やっぱり特別な曲ですね。「また
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