古都・京都は四方を山に囲まれた盆地にある町だ。そのせいで冬は寒くて夏は暑いという、なんでこんな場所に都を置いたのかと古の人に文句を言いたくなってしまう。が、昔の人にとってはそんなことはたいした問題ではなかったのだろう。四方が山に囲まれている方が、守りにはよい。 そんなわけで、平安京の時代から1000年経ったいまも、京都から他の町に出るためには山を越えなければならない。たとえばJRの新快速に乗って東、府県境を跨いで滋賀県に向かおうとすると、東山トンネルと新逢坂山トンネルというふたつのトンネルを抜けることになる。 ふたつのトンネルに挟まれた山科という駅を挟んで約10分。滋賀県に入って最初の駅が、県都大津市のターミナル・大津駅である。