世界で最も高い山、エベレスト。世界中の登山者を魅了するこの山はまた同時に、多くの命を奪ってきた「死の山」でもあります。登山ルートの周辺には回収されないままの遺体が150体近く放置されており、無言のままに自然の厳しさを語っています。 エベレスト登頂の北東側ルートには「グリーンブーツケーブ」と呼ばれるオーバーハング(岩の張り出し)がある。 その名の由来となったのは、そこに放置されたグリーンの登山ブーツを履いた死体。北東側ルートを通るものはみなこの死体を目にするのだ。 エベレストは、挑戦する者10人のうち1人を殺す。初登頂以来、216人が命をおとし、150人の死体は未だ放置されたままだ。 それらの死体のほとんどは標高8000mを超えた「デスゾーン」にある。海面と比べて酸素濃度が1/3という過酷な環境では、どんなトレーニングを積んだとしても48時間以上は耐えられない。 平均温度氷点下27度、頂上で