ずっと東京に住んでいるわりに品川駅で降りる機会がほとんどない人生を送ってきたのだが、新年早々、そのあまり縁のない場所に行く必要ができた。 原美術館で1月5日よりスタートした、ソフィ・カル「限局性激痛」展をみるためである。 bijutsutecho.com ここ数年は意識的に美術館を訪れるようにしているが、別に美術の素養があるわけではないので、ソフィ・カルの名前を知ったのは、この展覧会の報がきっかけだった。だから、「ふーん」とそのままスルーしてしまう可能性もあったのだけど、とくにセンスを信頼している知人が記事をRTしていたのと、身体の狭い範囲を襲う鋭い痛みや苦しみを意味する医学用語である「限局性激痛」という言葉(一周まわって「いかにも」感もあるが)と、女性が微笑んでいる写真に押された謎の赤いスタンプが妙に印象的で、しかも失恋体験を作品にしたものだと知って、俄然足を運んでみる気になった。 かつ