最近、雨宮処凛の作品をまとめて見ている。特に映画『新しい神様』はおもしろかったなあ。いや、作品として、というかドキュメンタリーとしては個人的にあまり評価できないし、好きでもないのだけど、片時も目が離せない力が画面にみなぎっているというか。新しい神様出版社/メーカー: アップリンク発売日: 2001/04/27メディア: DVDこの人は「属人論法」などという言葉が生ぬるく思えるくらい、あらゆる事象、特に社会問題を、個人の内面と関連付けて論じる。関連付けるというか、本当に直結している。そういうと、自分語りのオレオレというかワタクシな感じの人に思えるかもしれないが、実態はその真逆で、極度の自己評価の低さからくる、空虚な自己を埋めるための、社会への過剰なコミットメントというか……。そこにこの作家の魅力と危うさがある。 『新しい神様』を観ていておもしろいのは、もう10年くらい前から、「平和」を呪詛す