まだ十四、五前後の少女たちだった。初冬の帰り支度の色どり豊かな 円陣が、なんのつもりか同じ一点を見上げ、追いつめられた草食獣の 群れのように、寄り添って祈りを捧げていた。小さな胸のふくらみを 傍らの子の肩口に押しつけあいながら。「神さま、どうかお願い」と 童女風の子が声を絞りだした。リーダーらしき少女が「怖いよぉ、怖 いよぉ」と地を這うような呻き声を上げ、おろおろしはじめた。ちょ っと、落ちつけってば! 年下らしき女の子がその背中をたたき、男 の子みたいにカツを入れた。しばらくはなにも起こらなかった。みな が息を殺し、待機の時を耐えていた。と、まるで頭上の先から猛禽の たぐいが少女たちの見上げる目をめがけてまっしぐらに襲いかかって きたかのように、円陣が地に崩れ落ちた。「ぎゃぁぁぁっ」と切羽つ まった声が少女の口々から洩れた。へなちょこリーダーが真っ先に 弾き飛ばされ、そのあおりを受けてそ