筆者は、妻と一緒にイタリアを巡る18日間の小旅行から戻ったばかりだ。今回の旅は研究に追われる日常の良い息抜きになったし、うるさく呼び掛けるコンピュータの前に座らずに考える時間を持つこともできた。 絵画、彫刻、建築の壮大な傑作を夫婦で見ていくうちに、筆者は何かいつも見慣れたものを見ている感じを抱くようになった。筆者は、約2000年前のベスビオ火山の噴火によって地中に埋没した古代の街の残骸の中をさまよいながら、構築物の高度な設計や実用性に畏敬の念を抱いた。そして、これらの過去の業績と今日の優れたソフトウェアシステム、すなわち複雑な問題に対するソリューションのスタイル、構造、そして簡潔な表現を尊敬せずにはいられない「傑作」との間に強力なつながりがあることを悟った。このようなシステムは誰でも目にしたことがある。中には、その開発に運良く何度か携わった方もいるだろう。 これらの作品と過去の巨匠を比較し