ニューヨーク(CNN) ローマ教皇フランシスコはこのほど発表した回勅「フラテッリ・トゥッティ」の中で、新型コロナウイルス禍における資本主義は失敗に終わったとの見解を示し、自由市場政策では人道上最も差し迫った課題全てを解決できないことが、今回のパンデミックで示されたと指摘した。 回勅は教皇の教えを説くカトリック教会の公文書。フランシスコ教皇はパンデミック後の世界を展望し、「市場はそれ自体で全ての問題を解決することはできない。新自由主義信仰というこの教義を信じよと、どれほど求められようとも」と記した。 さらに、自由市場資本主義は、社会問題に対する唯一の解決策として「波及」あるいは「滴り」という魔法の理論に訴えることによって「自らを再生する」とした上で、「新たな形態の暴力を台頭させ、社会の構造を脅かしている不平等」を、この「波及」によって解決することはできないとした。 今回の回勅では、より共同体