トップ > Chunichi/Tokyo Bookweb > 書く人 > 記事一覧 > 記事 【書く人】 人文知 軽視に危機感を 『文系学部解体』 横浜国立大教授・室井尚(ひさし)さん(60) Tweet 2016年2月14日 昨年六月、国立大の文系学部の縮小や廃止を「要請」する文部科学省の通達が出され、多くの大学関係者が「文系軽視だ」と反発した。問題が大きく報じられる前から文科省の改革を批判してきた身として、国立大の置かれた現状への危機感を本書で訴える。 「これまでも文科省からむちゃな要請はあったが、現政権になってからの押しつけはあまりにひどい。教員たちが声を上げざるを得ない状況になっている」 自らが課程長を務める横浜国立大教育人間科学部の「人間文化課程」(定員百五十人)も、一方的に廃止を「要請」された。決して不人気の学科ではない。むしろ文系学部の中では「勝ち残っていける優良学科」との