ハダカデバネズミという風変わりな動物がいる。体長は10センチメートルあまり。ふつうのネズミに生えているような毛がなく、その名のとおり素っ裸に見える。大きな前歯が突き出している。アフリカのエチオピア、ケニアなどの地中に、トンネルを掘って住んでいる。 風体も奇妙だが、かれらの社会もまた変わっている。子どもを産むのは1匹の雌だけ。他のネズミは生殖器官が発達しない「働きネズミ」だ。卵を産むその1匹が「女王バチ」「女王アリ」とよばれるハチやアリなどと同じタイプの社会だ。このような生き物集団を「真社会性」の集団という。真社会性の昆虫は珍しくないが、哺乳類ではきわめてまれだ。 ハダカデバネズミの社会では、「女王ネズミ」が産んだ子を「働きネズミ」が世話する。女王バチと働きバチの関係と同じだ。毛がないハダカデバネズミは体温が下がりやすいので、働きネズミは子ネズミにくっついて体を温めてやる。おしりをなめて排せ
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