『真田丸』の風俗考証を担当していただいている立正大学文学部史学科教授・佐多芳彦先生にお話を伺うシリーズ、第2回。今回は、男性の衣裳の特徴についてお聞きしました。 Q.豊臣は色も柄も華やかですが、理由があるのですか? 豊臣の面々は皆、当時の高級品である絹製品を着ているので、見た目にも派手です。絹は、麻などに比べ発色が良いため、明るく華やかな色が出せるのです。 片桐且元は地味ですが、石田三成や大谷吉継などと同様に、それぞれ個性に合わせた最新最高の格好をしています。こういった豪華な服を当たり前に身につけることで、富や権威が集中していることを示しています。 ただ、加藤清正だけは例外で、絹ではなく麻製の肩衣(かたぎぬ)です。幼少時代から秀吉に仕え、苦労した時代の秀吉を知っているという経歴を踏まえ、こういった衣裳になったようです。他の人たちと対照的なクラシックな服装に加え、茶せん髷(まげ)にヒゲという