今は100円ショップで簡単に買える鏡も、私が子どものころは結構、値が張ったような気がします。そんな鏡ですから、お風呂と洗面所と母親の鏡台というように、限られた場所にありました。またそれはガラスの鏡で、よく見ると裏に鏡面があるものでした。 サイエンス倶楽部でもシャーレに銀鏡反応を施して鏡を作りますが、日本でこの方法の鏡が作られるようになったのは大正15年(1926年)ごろのことです。さらにさかのぼると、ガラスの鏡を初めて日本にもたらしたのは、かの有名なフランシスコ・ザビエルといわれています(東京都鏡商工業協同組合のホームページより)。16世紀のことですね。鏡の長い歴史から見ると、ガラスの鏡が日本に入ってきたのはつい最近のことなのです。 ではそれまではどんな鏡を使っていたかというと、みなさんも歴史で習ったように金属の鏡が主流だったと思われます。弥生時代や古墳時代の遺跡から出土するあの青銅の鏡で