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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (46)

  • それでも中国は世界第二位の経済大国である(上) - 梶ピエールのブログ

    先日、中国共産党の第19回党大会が開かれ、その後の一中全会で新たな政治局常務委員の顔ぶれが発表されたが、それとはあまり関係なく、このところ、「中国崩壊論」がらみの記事で2回ほど取材を受ける機会があった。野嶋剛氏によるNewsPickの記事「中国経済崩壊論の問題点」(有料記事)および、高口康太氏によるNewsWeekの記事「中国崩壊の崩壊カウントダウン」である。 ただ、私は狭義の「中国崩壊」すなわち、何らかのリスクが顕在することによって近いうちに共産党政権が倒れることを予言する書籍にはあまり関心を持っていない。むしろ最近注目してきたのは、より新しいタイプの、GDPの水増しが深刻なレベルであり、実際のGDPは公式統計の3分の1程度である、といった主張を展開する、いわば「中国経済成長まぼろし」ともいうべき一連の著作である。私がこれらの著作に関心を持つのは、いわば自分の守備範囲内なので、より

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  • 再論・フローの格差とストックの格差 - 梶ピエールのブログ

    十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争 作者: 峯村健司出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/02/26メディア: 単行この商品を含むブログ (11件) を見る 習近平政権に関しては誕生した時、日ではその権力基盤はそれほど強くないのではないか、あるいは政権が10年もつのかどうか疑問、という見解が結構見られたのに対し、アメリカの政府関係者や専門家の間では、その権力基盤の強固さを指摘する声がほとんどで、日米の間でその見方がかなり分かれていたようです。 今となっては、「習近平=弱い指導者」説は全くの誤りだったことは誰の目にも明らかになりました。アジアインフラ投資銀行に代表されるこのところの中国の国際的な舞台での発言力の強化、およびそこで習近平が示している明確なリーダーシップを見ても、習近平政権が国内において非常に強い求心力を得ていることが対外的な発言力の強さにつながってい

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  • 「公正な分配」をめぐる競争 - 梶ピエールのブログ

    3月5日より中国の全国人民代表が始まり日のメディアでも一斉に温家宝首相の演説の内容などを報道したが、興味深いのはそれまで欧米メディアに比べてそれほど高い関心が払われていたとは思われない、烏坎村の選挙についての取材報道が相次いでいることだ。そのほとんどが「公正な選挙の実施」「住民の民主化要求が実現」といった欧米メディアのフレームワークに近い形で行われているように見受けられる。 しかしながら、僕自身はこういった報道スタンスには物足りないものを一貫して感じてきた。現在「農村=都市一体化」を政府が取り組むべき最重要課題の一つとして位置づけている中国では、その際に不可欠な土地開発をめぐる問題点と、農民土地市民の待遇差に起因する戸籍改革という中国社会の問題点の解決をめぐって、地域間で盛んな「制度間競争」が繰り広げられている。烏坎村の事例も、基的にそのような文脈から理解されるべきだと個人的には考えて

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  • 中国政府と鉄道部の債務残高 - 梶ピエールのブログ

    欧州諸国、米国の債務危機が問題になり、日でも国債残高の対GDP比の大きさが問題とされて久しい。一方、中国の政府債務はせいぜいGDPの40%程度であり、非常に健全であるというのが中国政府の公式見解であった。 しかしこのところ、中国も中央や地方政府の「隠れ債務」がかなりの規模に達しているという記事をよく見かけるようになった。日語で読めるものとしては、このフィナンシャルタイムスの記事を日経が転載したものが手ごろだろうし、目にした人も多いのではないだろうか。 こういった問題に注目が集まるようになった一つのきっかけは、以前KINBRICKS NOWの記事でも指摘されているように、地方政府の「融資プラットフォーム」を通じた隠れ債務残高が10−14兆元の規模にある、という中央政府(人民銀行)の推計が公表されたことだろうか。2010年のGDPが約39兆元なので、この地方政府の実質的な債務だけでGDPの

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  • リスク社会論と中国 - 梶ピエールのブログ

    このところ、リアルもネットも震災と原発をめぐる問題が多くの人の関心を占めていて、中国への関心は二の次だったというのが正直なところだろう。だが、この数ヶ月の間に、中国の社会では非常に重大で根的な動きがいくつも生じているし、個人的にそれらの現象と日の3.11以降の状況とは、どこかで深くつながっているような気がしてならない。 その「つながり」を考える際の一つのキーワードになるのが、「リスク社会」ではないだろうか。いうまでもなく、「リスク社会(危険社会)」とは、ドイツの社会学社ウルリヒ・ベックによって提唱された、「産業社会」に対比される、後期近代における社会のあり方を象徴する概念である。前近代社会並びに産業社会においては、人間の生活に訪れる脅威・恐怖は災害や感染症といった自然に起因するものであり、前近代においてはそれを宗教や伝統的な慣習によって、産業社会においては科学やテクノロジーによって「克

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  • <民主>と<中華> - 梶ピエールのブログ

    お久しぶりです。この間、米中戦略経済対話や、四川大地震3周年など中国関連の動きはいろいろあったようですが、それはまあともかく。 あまり誰も気にとめていないかもしれないけど、ちょっと前のニュースで、以下のようなものがあった。 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011050200420 【北京時事】台湾のシンガーソングライターで1983年に中国大陸に亡命、89年の天安門事件後に台湾へ送還された侯徳健氏(55)が1日、北京の国家体育場(愛称・鳥の巣)でロックコンサートに出演した。中華民族のルーツを竜に託し、70、80年代に中台双方でヒットした「竜の伝人(伝承者)」を歌い、9万人の観衆は懐旧の情に浸った。 2日付の香港紙・明報は「侯氏が6・4(天安門事件)後、北京でステージに立つのは初めて」と伝え、北京紙・北京晨報は侯氏の舞台写真を掲載した。 侯氏が78年に

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  • {中国]Red Hot Chongqing-Pepper! - 梶ピエールのブログ

    中国のことをよく知らない友人に、中国で最もクールな都市はどこか?と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。多くの人は上海か、中にはハルピンと答える人もいるかもしれない。でも、もしあなたが最もホットな都市はどこか?と聞かれたのなら、そのときは迷うことなく重慶(Chongqing)の名をあげよう! そう、重慶は中国の中でも最も辛い(ホットな)べ物である、火鍋を初めとした、辛さで知られる四川料理場だ。また、典型的な内陸の盆地型気候である重慶は夏の熱気がこもりやすく、南京、武漢とならんで、昔から「中国三大ストーブ(火炉)」とも呼ばれてきた。 だが、重慶が今ホットなのはそれだけではない。重慶市のトップ、共産党市委員会初期の薄熙来は、中共八大元老の1人、薄一波・元国務院副総理の次男であり、典型的な「太子党(二世政治家)」だが、2007年11月に重慶市党委書記の就任以来、様々な独自の政策を実施し、

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  • 抵抗する中国のメディア - 梶ピエールのブログ

    先日の朝日新聞が報じたことで、すっかり有名になった『南方都市報』のこの写真。 この写真について、イヴァン・ウィルさんが興味深いブログ記事を書かれていますので、以下、少し長いですが引用します。 「南方都市報」の関係者が「深読みはしないで欲しい」と言っていますが、開会式のリハーサルの中の鶴の場面だけを1面に掲載する必然性はなく、「南方都市報」が劉暁波氏のノーベル平和賞受賞を批判する党中央の方針を皮肉ったことは明らかでしょう。中国の新聞がこれほど直接的に党中央の意向に反する紙面を出すことは画期的だと思います。 以前、私が北京駐在時代の2008年7月24日、北京の新聞「新京報」は、元AP通信記者の Liu Xiangcheng (劉香成)氏(中国生まれ:米国籍)のインタビュー記事を載せ、このカメラマンが過去に賞を獲った写真として「傷者」というタイトルの写真とソ連のゴルバチョフ氏がソ連解体の書類にサ

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  • 『虹色のトロツキー』のその後 - 梶ピエールのブログ

    2008年3月のチベット騒乱以降、日でも中国の少数民族問題を論じた書物が書店で数多くみられるようになった。書も、その流れの中での出版と位置付けることも、あるいは可能かもしれない。それならばネット上などでもう少し話題になってもよさそうなものだが、今のところそうなっていないのは、書の上下で6000円という価格に加えて、その突出した「重さ」のせいであろう。その内容について、安易に語ることを拒絶するものがこのにはあるからだ。全体を読みとおすことは中国の現代史についての一般的な知識があればさほど難しくはない。しかし、そこで提起される問題について整理しようとすると、立ち止まって深く考え込まずにはいられない、これはそんな稀有な書物だ。 墓標なき草原(上) 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録 作者: 楊海英出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/12/18メディア: 単行購入: 1

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  • 中国は反日に萌えているか - 梶ピエールのブログ

    中国屋などを生業にしていて一番いかんと思うのは「建国記念の日」というと反射的に10月1日を思い浮かべてしまうことである。2月11日?それって誰が何をした日でしたっけ? ・・さて、そんな私にとって(?)、前に書いたように領土問題というのは、個人的にほとんど萌えない話題だし、政府の対応のまずさなどについてはいくらでも論じる人がいるでしょうから、そちらにお任せします。 ただ、これも盛んに言われることで、中国政府の強硬政府の背景に民衆のナショナリズムの吹き上がりがある、というのはその通りだとは思うが、これを2005年の反日デモの時とと同列に捉えるのは大きな間違いだと思うので、その点だけ指摘しておきたい。 前回の反日騒ぎの時には、まず2004年に尖閣諸島上陸とか、日の国連安保理常任理事国反対の署名など一部活動家が反日の声を上げていたのが次第に注目を集め始め、同年夏にサッカーアジア杯のブーイングに代

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  • ハイチとIMF - 梶ピエールのブログ

    W.イースタリー『傲慢な援助(The White Man's Burden)』170〜172ページより。 次のトリビア的質問に答えてほしい。過去50年間でIMFから最も多くのスタンドバイ融資*1を受けたのはどの国か?答はハイチであり、22の融資を受けた。しかもハイチの国というより、デュバリエ家(パパ・ドックとベビー・ドック)であった。この二人の統治下で、ハイチは1957〜86年の間、22中20のスタンドバイ融資を受けたのである。 政治が悪かったが、デュバリエ家が経済もさらに悪化させた。ハイチ国民の平均所得は、デュバリエ政権誕生時よりも末期の方が低かった。パパ・ドックが政権を握った時、全子どもの半数が小学校に通えなかった。ベビー・ドックが政権を去った時も、半数の子どもがやはり学校に通っていなかった。 独立以来おおよそ200回のクーデター、革命、暴動、内戦を経て、ハイチは今でも世界で最も

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  • <中国人>の境界 - 梶ピエールのブログ

    中国の異民族支配 (集英社新書) 作者: 横山宏章出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/06/17メディア: 新書 クリック: 20回この商品を含むブログ (8件) を見る 書は新書ということを差し引いてもその記述がいささか荒っぽく(この文章はそれをさらに荒っぽくまとめているので注意が必要である)、先行研究の記述にそのまま乗っかっているところも多いが、現在に至る中国の異民族支配の矛盾を歴史的観点から理解するには手ごろな一冊だ。 7月5日のウルムチでの事件をめぐって、メディアでは「新疆ではウイグル族への同化政策が行われ・・・」という表現がしばしば使われた。先日のクローズアップ現代(これはよい番組だった)でも、漢語教育強化の様子が放送された。しかし、「同化」をめぐる実態はもう少し複雑である。近代以降の中国では、「同化」すべき<中国人>の枠組み自体が権力の都合によって絶えず揺れ動いてき

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  • 7月5日ウルムチでの騒乱に関して - 梶ピエールのブログ

    最初日のメディアは新華社のニュースをそのままタレ流すだけでやはりダメだと思ったが、6日の報道ステーションはかなり時間を割いて双方の言い分を報道するというスタンスで、水谷尚子氏にも取材を行うなど、かなり頑張っていた。ただコメントが加藤千洋氏というのはあまり適任ではなかったと思うが。 ・・とはいえやはりこの件についてはBBCなど英語圏の報道が背景の解説も含めて圧倒的に詳しい。それに引換え、「東洋のBBC」を目指しているはずのNHKは7時のニュースを見る限り広東省韶関での事件にも言及しないなど、かなりお粗末な時間の制約があったとしても不満の残る報道姿勢だった(9時のニュースではちゃんと報道していたようです)。 少し前だが、グアンタナモに収用されていたウイグル人がパラオに移送されたときも、日ではほぼベタ記事扱いだったが、NYTが非常に詳しい報道を行っていた(これとかこれ)。日ごろからの取り組み

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  • ウイグル人とナイフ - 梶ピエールのブログ

    http://kok2.no-blog.jp/tengri/2008/07/bb82_f6d7.html http://kok2.no-blog.jp/tengri/2008/07/post_f087.html 公式報道は中国公安がアパートで火器や爆弾を発見してはいないが何ものナイフを発見したことを主張している。しかし伝統的ウイグルナイフはウイグル居住地のどこにでも発見できるものであることを表記するべきである、そしてその種のナイフは一般的に文化的伝統的な目的の為に保持されるのであり、他者へのどのような危害の意思で保持されるのではない。 イリ事件のあった1997年夏、「危ないからやめとけ」という漢人たちの忠告を無視してふらっと新疆に旅行したことがあった。ウルムチからカシュガルまで、二泊三日で走るバスに乗っていたときのことだ。夜中の二時ごろだったろうか、すっかり深い眠りにおちていたところ、突

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  • 「情報戦」と当事者性、あるいはメディア規制とパターナリズム - 梶ピエールのブログ

    でも報道されたが、数日前に、新華社通信や中央電視台などの国営メディアが一斉に「西側メディア」によるチベット報道について、写真の意図的なトリミングやネパールの写真の誤用といった「情報操作」を非難する報道を行うという動きがあった。 http://news.xinhuanet.com/newmedia/2008-03/26/content_7860098.htm すでにあちこちで指摘されているように、この一連の動きはかなり前からみられたインターネットにおける西側メディア批判の動き(代表的なものが有名なこれ)に国営メディアが「乗っかった」という性格を持つ。以下のものはこの一連の動きに関する比較的客観的なまとめである。 http://www.danwei.org/foreign_media_on_china/what_should_be_condemnded.php http://www.dan

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  • 『靖国 YASUKUNI』について - 梶ピエールのブログ

    ふるまいよしこさんによる監督李纓(リー・イン)氏の紹介 http://wanzee.seesaa.net/article/91954227.html このような問題について、少なくともネット上での発言のレベルでは「表現の自由への弾圧を許すな」といった形式的な告発を行うよりも、「この作品はこれこれこういう点が面白くて、一見の価値がありますよ」「監督は過去にこういう作品を撮っていて、活躍が期待されています」「この描写は物議をかもしそうですね」という作品自体に関する話題や情報を振りまいて「広く市民の関心を喚起する」方が、事態を好転させるのにはるかに有効なのではないだろうか。 その結果作品自体への社会の「欲望」が高まり、商業的にもかなりいい線いけそうだ、という状況が作り出されば、多少の政治的リスクを犯してでも公開に踏み切る「企業家精神」にあふれた映画館は決して少なくはないはずだ。作品上映の「商業的

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  • アバ県について - 梶ピエールのブログ

    チベット人権民主センターが四川省アバ県で死亡したチベット人の写真を公開した。死体にははっきりと弾痕が見える。残酷な写真なので直接リンクは張らないが、例えば長田幸康さんのブログで紹介がなされている。以下のハンナ・アレントの言葉を真っ先に思い出した。 忘却の穴などというものは存在しない。人間のすることはすべてそれほど完璧ではないのだ。何のことはない、世界には人間が多すぎるから、完全な忘却などというのはあり得ないのである。 New York Timesの18日付の記事にも、これらの写真についての記述がある。 In the late afternoon, monks at the Institute of Higher Tibetan Studies monastery disseminated a half-dozen chilling photographs that they said we

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  • 悪の凡庸さについての報告:カンボジアのケース - 梶ピエールのブログ

    きちんとした感想を記すにはインドシナの歴史について知らなさ過ぎるわけですが。 ポル・ポト―ある悪夢の歴史 作者: フィリップショート,山形浩生出版社/メーカー: 白水社発売日: 2008/02メディア: 単行購入: 2人 クリック: 139回この商品を含むブログ (37件) を見る ポル・ポト。誰もがあの忌まわしい悲劇と結びつけてその名前を覚えていながら、彼が一体どんな人物なのか、自信を持って語ることのできる人はほとんどいないだろう。この分厚いを読めばポル・ポトという人物の具体的な像が浮かんでくるかというと、残念ながら必ずしもそうではない。読後も強く印象に残るようなエピソードや言動といったものがこの人物についてはそもそも乏しいからだ。書の大部分は、むしろ複雑極まりない第二次世界大戦後のカンボジア国内の政治状況やインドシナ半島を取り巻く国際情勢の解説などに費やされている。 もちろん、ク

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  • 梶ピエールの備忘録。 - 優等生だったはずなのに・・

    満州事変から日中戦争へ―シリーズ日近現代史〈5〉 (岩波新書) 作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/06/20メディア: 新書購入: 3人 クリック: 66回この商品を含むブログ (49件) を見る 岩波新書は新赤版になってから重量級の作品が増えたような気がするが、この1冊も新書とはとても思えない内容のヘビーさ。というか新書で紙幅が限られているので余分な説明がそぎ落とされているせいか、僕なんかは3回最初から読み直してようやくだいたいの内容が頭に入った始末。このような格的な啓蒙書と、20分間くらいで読めてしまいそうなカジュアルと同じ「新書」というカテゴリーでくくってしまってよいのだろうか、というのはひとまずおいとくとして・・ 書の特色をあえて言うなら、「条約と国際法」の解釈をめぐるすれ違い、という観点から1930年代前後の日中関係の複雑さおよび戦争にいたる

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  • [経済][グローバリズム]イースタリーと世銀との確執-梶ピエールの備忘録。

    韓リフ先生のところで『週刊東洋経済』に掲載されたサックスのアフリカ援助に関する記事が紹介されている。 中国アフリカ援助をどう考えるか、という点も難しい問題だが、ここではイースタリーとの「因縁の対決」について若干のフォローを。 以前に紹介した「福祉国家」の評価をめぐる論争以降も両者の小競り合いは続いていて、この3月と4月にも'Economists View'で以下のやり取りが紹介されていた。 イースタリーによる「貧困の罠」批判 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2007/03/william_easterl.html サックスによる反論 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2007/04/jeffrey_sachs_t.html 簡単に論点を整理すると、イースタリー

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