W3CによるHTTP/2(HTTPバージョン2)の議論に端を発する、Webにおける通信の常時暗号化の問題。グーグルが主導する形で、Webブラウザは「HTTPS通信以外、安全な通信でない」と扱うようになってきている。その影響はあらゆるWebページにかかわるものだが、問題はサイト運営者の作業だけではない。サーバ証明書のビジネスや認証局の在り方にも及ぼうとしている。 グーグルが主導するHTTPS化の流れ 2018年夏、ラスベガスで毎年開催されるBlack Hat USA。今年の基調講演は「セキュリティ界のプリンス」の異名をとるパリサ・タブリス氏が行った。パリサ氏はこの中で、ChromeのHTTPS対応について何度も語る場面があった。 パリサ氏は、グーグルでChromeの開発やProject Zeroの指揮をとる立場にもあり、グーグルは、すべてのWeb通信は暗号化されるべきと、同社のWebブラウザ