9月からの新学期を控え、「子どもたちを、学校に行かせても大丈夫でしょうか」と質問されることが増えた。この回答は難しい。感染のリスク低減と教育機会の喪失はトレードオフの関係にあり、一概には言えないからだ。最終的には生徒と保護者、さらに教員たちで決めるしかないが、最新の研究を踏まえ、やりようはある。本稿で論じたい。 新型コロナウイルス(以下、コロナ)の第5波では、子どもの感染が拡大している。デルタ株の蔓延が原因だ。8月20日、読売新聞は「厚生労働省によると、全国で今月12~18日の1週間に感染が確認された20歳未満は2万2960人にのぼり、第4波で最多だった5347人(5月13~19日)の4倍超に増えた」と報じている。 子どもの感染が拡大しているのは、日本に限った話ではない。アメリカでも急増している。8月5日までの1週間で、子どもの新規感染者は約9万4000人で、直近で最低だった6月24日の週