【ロンドン=大野博人】経営が苦しいから月給1カ月分を返上してほしい。社長も返上するから――。英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のそんな提案に労働組合が猛反発している。平均的従業員は年収でさえ社長の月収の半分。同列に扱う無神経さががまんならないようだ。 BAの広報によると、月給返上の要請は最近、社内メールで全社員に流された。強制ではないといい、自発的に1カ月間休むか、無給の「ボランティア」として働いてほしいと呼びかけた。ウィリー・ウォルシュ社長自身も7月の給料を返上するという。 ところが、社長の給料は年間73万5千ポンド(約1億2千万円)で1カ月当たり約1千万円。これに対して従業員は年収でも平均約3万ポンド(約500万円)。社長は1カ月で平均的社員の年収の2倍を取っている勘定になる。 「社長は1カ月ただ働きしても困らないだろう。だが従業員はそうはいかない」と労組ユナイトのス