小保方晴子研究員(31)と理化学研究所の検証実験チームがそれぞれ取り組んでいた実験で、さまざまな組織に変化する「万能性」を持つSTAP細胞は作製できず、論文に示された細胞は何だったのかという疑問は逆に深まった。理研は外部有識者による調査委員会でSTAPとされた細胞の正体の解明を進め、来年2月上旬までに公表する方針だ。 理研によると、小保方氏の実験は第三者が立ち会う監視カメラ付きの部屋で行われた。論文に示された酸性の液に細胞を漬ける手法でも、一部の細胞では万能性の目安となる発光現象が見られたが、発光が確認された約1600個の細胞の塊を使って特殊なマウスを作り、細胞の万能性を確認する実験は成功しなかった。検証チームの実験でも同様の発光が認められたが、特殊なマウスはできなかった。 存在が否定されたSTAP細胞とは、研究が先行する万能細胞の「胚性幹細胞(ES細胞)」だったのではないかとの指摘があり