長崎大病院は23日、24年前に手術を受けた当時30代の女性の体内に、シリコーン製の管を放置していたと発表した。女性に健康上の被害はないという。 昨年12月に女性の腹部のCT検査をした際、長さ約10センチ、直径最大約1センチのチューブ状のものがあることが判明。1991年に泌尿器科の手術を受けた際、血液や体液を排出するために挿入したペンローズドレーンという管とみられる。 当時のカルテには管を抜いた記録がなく、病院は「複数の医師が担当し、それぞれ別の医師が抜いたと思ったのではないか」と説明している。 女性は2010年にもCT検査を受け、放射線科の医師がチューブ状の陰影に気づいてカルテに記載したが、泌尿器科の医師が見落としていた。除去には全身麻酔が必要で、女性の経過を観察するという。 この管は各地の病院で体内での置き忘れが相次いだ。同病院では4例目で、11年から原則的に使用を禁止している。