東京国立近代美術館で「わたしいまめまいしたわ」展を見た。細部はともかく全体には面白かった。この展覧会は、京都国立近代美術館や国立国際美術館、そして東京国立近代美術館自身の所蔵の作品群を「現代美術にみる自己と他者」という問題設定で再構成したもので、まずこういう「資産の再利用」的な方法論で、今なかなか大規模には組織しづらい同時代の美術の展覧会をやってみるという試みは、現在の条件に対する美術館の抵抗の所作として理解できる(逆を言えば、国立の美術館であってもこういう工夫をせざるをえないということなのだけど)。私は以前、国立新美術館のオープニング企画展「20世紀美術探検」について、この「美術センター」の“構造”あるいは“文脈”を批判するという立場から、その既存美術館のコレクションを再利用した展示にネガティブな評価をしたことがあるが(参考:id:eyck:20070307)、このエントリでもあちこちの