三重県熊野市沖でフェリー「ありあけ」が横転・座礁した事故で、運航会社「マルエーフェリー」の有村和晃社長が25日、「船体は(曳航=えいこう=ではなく)現場で解体して撤去せざるを得ない」との見解を初めて明らかにした。油の抜き取り状況などを報告するため訪れた同県庁で、報道陣に明らかにした。 油の抜き取り作業をしている海難救助会社によると、船体を現場で解体する場合、撤去までには2カ月以上かかるという。 有村社長はこの日、積み荷の内容や量を示した目録を県に提出し、「危険物の積載はなかった」と説明。船体撤去については具体的な日程の見通しは立たないとした。対応した東地隆司・県防災危機管理部長は「地元がどれだけ不安を感じているか。誠意を持って対応して欲しい」と、早急にめどを立てて伝えるように求めた。 有村社長は「水中での油の抜き取り作業は、海にうねりがあると難しく、作業は天候に非常に左右されている。