南極の巨大氷山が半島状の氷河をもぎ取り、新たな巨大氷山をつくった様子を、米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星アクアが撮影した。氷山の面積を日本に当てはめると、埼玉県が房総半島とぶつかり、千葉県の半分がもぎ取られたのと同じくらいになる。新たな氷山は、重量が7千億〜8千億トンで、豪州の方向にゆっくり動き始めた。 埼玉県ほどの氷山B―09Bは、1987年に南極大陸から離れ、周辺を漂っていた。その後、(1)先月7日にメルツ氷河に接近、根元にひびをつくった。(2)ひびが広がって氷河がちぎれ、(3)長さ78キロ、幅39キロの氷山になった。 メルツ氷河はペンギンの繁殖地。ペンギンを乗せたまま漂流したとみられ、専門家は生態系への影響が出るとみている。(東山正宜)