JR東海が計画するリニア中央新幹線(東京-大阪)について、国土交通省の交通政策審議会中央新幹線小委員会(国交相の諮問機関)は20日、同社が要望している南アルプスを貫通する「南アルプスルート(直線ルート)」が「最も費用対効果に優れている」との分析結果をまとめた。これにより、3案が提案されていたルートは直線ルートで事実上決着した。同小委は年内にも直線ルートを軸とする中間報告を正式に取りまとめ、来春をめどに国交相に対し整備計画に格上げするように答申する。 同小委では、提案されている3ルートのうち、南アルプスをトンネルで貫く「直線ルート」(東京-大阪間67分・438キロ)と、南アルプスを北に迂回(うかい)する「伊那谷ルート」(同74分・498キロ)について、経済成長率1%、総人口が65年に8000万人まで減ることを前提に費用対効果(投資費用に対する効果の比率、数字が大きいほど効果が高い)を試算した