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ブックマーク / brevis.exblog.jp (48)

  • 契約なんかこわくない(2) 契約を設計する | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、自分の仕事の契約書を、始めから終わりまで、真剣に目を通したことがおありだろうか。もしなければ、車のローンでも、不動産賃貸借でも、旅行保険でもいい、手近にある契約書を一つ、ためしに頭から全文読んでみることをおすすめしたい。実際に読んでみると、たしかに退屈だが、それほど理解困難ではないことに気がつかれると思う。少なくとも、法律の条文自体よりずっとわかりやすい。なぜなら、そこには構造と意図があるからだ。 契約書というものは、たいていの場合、構成が決まっている。まず最初に、契約の当事者の定義と、言葉の定義がおかれている。それから、契約の中心部分が、簡潔に記述されている。中心部分とは、権利と義務のバランスシートだ。たとえば、Aは製品何々をいつまでに納品する。Bはその代金をこれこれの手段でしはらう、といった形になっている。Aはひとつの義務を履行すると、それにみあう権利をBに対して得ることがで

    契約なんかこわくない(2) 契約を設計する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 受注生産という名前の見込生産 | タイム・コンサルタントの日誌から

    生産管理の教科書をひもとくと、最初に「生産形態と生産方式」という話が出てくる。そして、製造業は『見込生産』と『繰返し受注生産』と『個別受注生産』に分類できるとの説明がある。いうまでもなく、見込生産は自社が需要を見込んで、先に生産してから販売する形態である。受注生産は逆に注文を受けてから(=需要が確定してから)生産する形態で、それはさらに、すでに設計済みの製品を受注に応じて繰り返し作るケースと、設計自体から個別に着手するケースとにわけられる。 見込生産品は一般消費者向けの製品が多い。家電だとか自動車だとか日用雑貨品など、TVでコマーシャルをうって名の知られている企業の製品だ。そこで、つい生産形態というと見込生産が中心のように感じている人が多い。しかし、自動車一つとってみても、車両メーカー1社の下に、多数の部品メーカーがぶら下がっている。家電なども同様だ。つまり、見込生産よりも受注生産(とくに

    受注生産という名前の見込生産 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 究極の管理学とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、知り合いの東大教授から面白いことを聞いた。「東大には、なぜか管理学系の学科がないのです。」と、この先生は言う。「たとえば工学部には管理工学科とか経営工学科といった学科がありません。経済学部には一応、経営学科がありますが、実質的には経済学科とは垣根が低く、一体に近いようです。工学系大学院にMOT(Management of Technology)を意識した『技術経営戦略学』が最近設置されたのが、唯一それに近い存在でしょうか。」 つまり、日の最高峰と世間で言われている学府は、どうも「管理」を学問や教育の対象とは考えていない、ということらしいのだ。京大についても、Wikipediaで調べてみると「経営管理大学院」はあるが、これもつい最近(2006年)に設置されたばかりである。事情は東西でよく似たようなものらしい。こういう話は、生産管理だとかプロジェクト・マネジメントだとかで飯をっている

    究極の管理学とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクト・マネジメントは組織としての能力である | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト・マネジメントという言葉は、この10年間でずいぶん普及した。それと同時に、誤認識や誤解もある意味で増えたと思う。そのひとつが、リーダーシップとの混同だろう。そもそも会社によっては、そもそもプロマネと呼ばずにプロジェクト・リーダーと呼ぶところもある(IT系企業に多いような気がする)。リーダーとは課長ないし係長相当の役職を示しているに過ぎないのだが、「リーダー」という言葉からリーダーシップを連想するのは、ほんのひとまたぎの距離だ。 ここから、プロジェクトの失敗はリーダーシップの欠如に原因する、という判断が生まれてくる。そうなると、“じゃあ、有能なリーダーをもってくれば解決する”、あるいは“リーダーシップの強い人物を任命すれば成功する”との短絡した結論が出てくる。リーダーシップ論だけではプロジェクトの失敗は救えない、という話は前にも書いたので、ここでは繰り返さないが(「プロジェクト

    プロジェクト・マネジメントは組織としての能力である | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 高い買い物をする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「安い買い物をする方法」についての解説は、インターネットにたくさん出ている。と思う。誰もが安い買い物をしたいと思っている。“ウチの店なら安い買い物ができます”という情報は、もっと多いに違いない。 そこで、このサイトでは差別化のために、「高い買い物をする方法」を教えようと思う。おっと、“高価なブランド品・高級品を買う方法”ではないので、誤解なきよう。あくまでも、来ならもっと安く買えるものを、あえて高いお金を払って買う、非常に社会貢献度の大きな方法である。もちろん、経営者から怒られたりはしない。むしろ、誉められたりする。その方法である。 まず、買うべき対象のものであるが、自社仕様品でなければならぬ。世の中にあふれているコモディティ(日用品)で、店に行けば棚に並んでいるようなモノでは、誰でもどこが安いかわかってしまう。これではいけない。そもそも、自社のビジネスのために購買するものである以上、自

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  • マネジメントを科学する | タイム・コンサルタントの日誌から

    マネジメント論の系譜をさかのぼると、いまからちょうど100年前、アメリカのF・テイラーが提唱した『科学的管理法』にいきあたる。鉄鋼会社の技師長であったテイラーが考えたのは、工場における労働者の生産性を上げるにはどうしたらよいかという問題だった。テイラーは労働者の作業動作を時間の観点から分析することからはじめた。ストップウォッチを片手に、どのような動作をおこない、どのようなタイミングで休憩をとるのが一番生産性を高めるか、さまざまな観察と実験をおこなう。そして、そこからベストの作業手順を編み出すのである。 彼が実際に示した有名な例は、工場で銑鉄(ズク)のかたまりを運搬する作業だった。それ以前の現場では、労働者がどんなに頑張っても一人一日あたり12.5トンが限界だった。しかしテイラーは時計で時間を計りながら観察と実験をくり返し、作業を改善していく。そしてその結果、労働者の運搬量はなんと1日47ト

    マネジメントを科学する | タイム・コンサルタントの日誌から
    bn2islander
    bn2islander 2007/09/16
    「戦後日本は、機械や電子など要素技術の導入には熱心だった。が、管理技術には(統計的品質管理を除けば)あまり関心がなかったようだ」
  • 流れをつくる | タイム・コンサルタントの日誌から

    とある大企業の工場管理棟の一室。客先から示された図面を前にして、私と同僚は少しの間、絶句していた。図面は新工場の平面レイアウト図。作成したのはトップクラスの建築設計事務所で、背後では有名なゼネコンが手伝っているらしい。ややあってから、私は口を開いた。「入荷した物の流れがよく分からないのですが、説明していただけませんか。」 工場を見学者に説明するときは、普通どこでも物の流れにそって順番に説明して歩く。原材料を入荷して、検品して、入庫・保管して、払出して計量・裁断して、製造の上流工程からラインに供給し、加工・検査をへて付加価値のついた製品として出荷されるまで、順に見ることになる。小さなサプライチェーンと言ってもいい。工場見学とは、製造業の社内サプライチェーンを簡単にたどるツアーなのだ。 ところで、今日の工場はどこも多品種少量化が進んでいて、きまった製品を大量生産し続けるような所はほとんど無い。

    流れをつくる | タイム・コンサルタントの日誌から
  • To Doリストなんか書いている時間がない | タイム・コンサルタントの日誌から

    の製造業が景気回復の手応えを感じはじめてから、もう2年近くたつ。業種・地域ごとに濃淡の差はあれども、いまはどこの会社に行っても、多忙な状況だ。10年以上続いたひどい不況の時代に、企業は可能なかぎり人減らしをすすめたから、今さら急に業容が拡大したって、体制が追いつかないのは事実だろう。 製造現場はそれでも、派遣労働者をあつめてきて何とかしのいでいるみたいだが、技術者となると、そうはいかない。その業種・その会社の技術内容をよく知った人間でないと、エンジニアはつとまらないからだ。おかげで、どの会社でもエンジニアの労働時間がふえる一方だ、このままでは過労で倒れそう、と声なき悲鳴が聞こえる昨今である。 そんな現状があるからだろう。人・モノ・金につづく経営資源の第4の要素として、『時間』があらためて注目をあびるようになった。会社組織として、時間をいかに管理していくか。それは納期短縮にも製品開発競争

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    bn2islander
    bn2islander 2007/03/14
    目からうろこ