企業がグローバルビジネスに取り組む上では、どんなことに留意するべきか――。そのヒントとして、日本たばこ産業(JT)の本格的グローバル化の第一歩となった米RJRナビスコの米国外のたばこ事業買収交渉を経営企画部長時代に成功させ、その後も同社の海外たばこ事業を引っ張ってきた木村宏JT社長に同社の経験を述べてもらい、併せて伊藤元重東京大学大学院教授のコメントをもらった。 JTは今年4月、2006―2008年度の3年間を実施期間とする新中期経営計画「JT2008」をスタートさせた。2003―2005年度の「JT PLAN―V」では、将来にわたる持続的成長を可能にする事業基盤を確立するため、トップライン施策、コスト構造改革に全社一丸で取り組み、当初に掲げた全社経営目標、各事業目標を上回る成果を達成できた。新中期経営計画ではそれを“通過点”と位置づけ、これまでの戦略を継承、発展させることで、我々が長期的