クドカンには感謝している。どんな世界的スポーツイベントが開催されようともいっさい興味の持てない私に、多少なりともスポーツと相見える余地をもたらしてくれたからだ。もちろん、このとびきり奇想天外な物語を介して。 今ではなぜか日曜20時前になると、まだ『ダーウィンが来た! ~生きもの新伝説~』(NHK総合)が流れている内から、TV前に正座している自分に気づく。これほど視聴方法が多様化した今、突如湧き出した自分のこの律儀さに驚くほどだ。 多分私はスポーツが嫌いなのではなく、その楽しみ方を知らないのだろう。しかしその分、歴史が好きだし、知られざる人間ドラマが好きだし、意表をつく展開が大好きだ。幸いなことにクドカンの脚本を手がけるNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』にはその全てが詰まっていた。 突然変異的にイチを踏み出す発明 彼は同じことの繰り返しはしない。だからかつて朝ドラで