2013年01月31日11:48 カテゴリ本 アンチフラジャイル タレブの新しい本のタイトルは、Antifragile。これは彼の造語で、「反脆弱」と訳すとよくあるセキュリティの話みたいだが、本書の内容はその逆に「ボラティリティを愛すること」のすすめである。 もともとイノベーションについて書く予定だったらしいが、結果的には巨大システムの脆弱性についての本になった。前著『ブラック・スワン』よりかなり難解だが、ポイントは彼の福島事故についてのコメントに要約されている。日本人は小さな失敗をきびしく罰するので、人々は小さくてよく起こる失敗を減らし、大きくてまれな失敗を無視する。アメリカは小さな失敗にも大きな失敗にも寛容だ。私は大きな失敗はよくないと思うが、小さな失敗はむしろ好ましいと思う。イノベーションは、小さな失敗の積み重ねだ。[・・・]ボラティリティを恐れることが世界を脆弱にしている。自然はボ