2015年6月18日のブックマーク (36件)

  • 『人間小唄 (講談社文庫 ま 46-10)』(町田康)の感想(55レビュー) - ブクログ

    表紙の猿の絵に惹かれて手に取った1冊。 猿の表情とタイトル文字と作者名のバランスがすごいと思った。 すごく格好いい文庫。 一目惚れでした。 中身の小説は(も?)強烈。 いったい何が始まったのか分からず、押される方に転がっているうちに身体と心は傷だらけになり、もう二度と元には戻れなくなってしまっていた。 何が? この小説の主人公(?)の作家の人生が。 そして、それを読んだ私の人生観も。 大切だと思っていたことを軽く足蹴にされる。 堅い地面がなければ立っていられないのに、それをぐじゃぐじゃにされて、尚も踊ることを求められる。 自分は闘っているつもりなのに端から見ると滑稽な踊りを踊っているだけ。 やり切れない。 恥ずかしいとか言ってたら何も出来ず(呼吸も事もなにもかも)、分かってくれとか言っても誰にも届かない。 だからこうしろと言うこともなく、そうなんだよと思い知らせてくれるような小説

    『人間小唄 (講談社文庫 ま 46-10)』(町田康)の感想(55レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
    又吉さんが紹介していた人間小唄おもしろそうですね
  • 『教養としてのプロレス (双葉新書)』(プチ鹿島)の感想(40レビュー) - ブクログ

    「KAMINOGE」という面白いプロレス&格闘技雑誌がある。書はそこに寄稿したものなどを中心に加筆したもの。 黎明期には、「八百長」とまで揶揄されたプロレスが、猪木の新日プロレス立ち上げをきっかけに「ショー」から「ストロングスタイル」に。その後は「最強」から、試合の勝敗よりも試合内容が「最高」かどうかという価値軸になったのが現在。その時代の流れを<プロレス的見方>を駆使して料理してみせる。 出色なのは「木嶋佳苗論」「前田と武藤のじゃんけん殴り合い大会」などだが、付録の「プロレスの偉人から学ぶべきこと」の山小鉄(あの前田日明でさえ、道場の外で山小鉄の車の音が聞こえるだけでびびったという鬼軍曹振り)やジャイアント馬場(猪木の挑発を無視し続けた理由)などやはり業界の裏話はワクワクする。そして、書の最後の一文、「大人になればなるほどジャイアント馬場が沁みる」で書は名作となりました。

    『教養としてのプロレス (双葉新書)』(プチ鹿島)の感想(40レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
    教養としてのプロレス、読んでみたいですね。
  • 『進撃の巨人(17) (講談社コミックス)』(諫山創)の感想(116レビュー) - ブクログ

    (ネタバレ注意) ものすごく「巨大な壁」ではある。その中に数十万人が住めるほどの壁ではあるが。しかし、実はその中に約100年前に自ら入り込み、過去の多くの科学的な知識を強制的に忘れ去り、自由をなくし、封建社会の元に厳しい生活を強いられて、ただ巨人の影に怯えてきた人々は、自分たちのことを「世界に最後に残った人類」であると呼んでいた。 ある日、壁は壊され、伝説の巨人たちがやってきて、最後の人類たちをい始める。巨人の目的は糧ではない。そもそも巨人はなぜか不死である。それに対して、人類たちは自らの種を守るために、知恵と力の全てを使って、対抗する。それが、まるで人類としての務めであるかのように。 壁の中の世界が全てだ。自称人類たちはそう思っていたに違いない。しかし、17巻をかけて、壁の中の世界は「人為的に作られたもの」であることが次第にわかってきた。 何の目的で。 どのようにして。 誰が。 どの

    『進撃の巨人(17) (講談社コミックス)』(諫山創)の感想(116レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『村上さんのところ コンプリート版 [Kindle]』(村上春樹)の感想(17レビュー) - ブクログ

    [わんさかわいわい]小説家の村上春樹が期間限定で開いた質問投稿サイト。寄せられた三万件を軽く超える投稿の中から選ばれた、単行八冊分(!)の質問と回答を収録した作品です。今回はそれら質問と回答がすべて収められている電子書籍の「コンプリート版」を読破しました。同版には質問の傾向に関するデータなども記録されています。 おそらく書の概要を読んで思うことは、「村上春樹好き以外が手にとって楽しめるなのか?」ということだと思いますが、ズバリ、楽しめます。ユーモアあり、親密さあり、そしてキツめのブラックジョーク(たまに笑えない)ありの会話を盗み聞きしているようで、読んでいる間になんとも言えない「小確幸」を感じる作品でした。果てしなく感じられる企画だったと思いますが、このような形で村上春樹の一端を知れる機会を設けてくれたことに感謝の限りです。 村上春樹氏による回答が魅力的なことはもちろんですが、寄せら

    『村上さんのところ コンプリート版 [Kindle]』(村上春樹)の感想(17レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『村上さんのところ』(村上春樹)の感想(215レビュー) - ブクログ

    村上春樹さんが読者の質問に答えるという。 コンセプトが面白そうだったので購入、読了。 いやー、このとっても面白い( ̄∇ ̄) 一般の読者の質問なので、内容的にとても共感できるものが多いです。 人生恋愛、子育て等々…人間の質的な部分に触れるような質問に答えてくれます。 村上春樹さんの考えも聞きながら、そして自分はどう考えるのか?…そんなことに思考を巡らしながら読み進めて行くのがとても心地良かったです。 それにしても、やっぱり村上春樹さんの文章って色気があるなぁと…(´∀`) 小説だけじゃなく、こういった質疑回答集ですら色気って出るんだなぁと(笑) 書より「文章の上手さはある程度才能で決まってしまっている」とのこと。 うーん、ズルいなぁ… <印象に残った言葉> ・話の長い人の話を短くすることは不可能です。あれは不治の病です。死ぬまで治らない。僕もよく「退屈な人って、自分に退屈しないのか

    『村上さんのところ』(村上春樹)の感想(215レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『武士道ジェネレーション』(誉田哲也)の感想(257レビュー) - ブクログ

    作品紹介・あらすじ 剣道少女たちの「武士道」シリーズ、6年ぶりの最新刊。高校生活インターハイを描く『武士道エイティーン』のラストから2年。大学生になった二人だが、香織は剣道推薦で大学に進学。数々のタイトルを獲得し、ゆくゆくは警察官になろうと考えていたが、女性で助教になるのは難しい。教員になる道を考えるがいかんせん、頭がよくない。一方の早苗は、すっぱり剣道からは足を洗ったものの、日舞から剣道に転向しただけに、日文化が大好きで、長谷田大学の文学部史学科で日史を専攻する。だが、留学生との文化歴史認識の違いから、早苗の中に、次第に外国人に対する苦手意識が芽生える。 そんななか、桐谷道場の師範・桐谷玄明が倒れ、にわかに後継者問題が。来次ぐべき、早苗の夫・充也その「資格」があるのは彼ひとりだが、警官を辞めるなと玄明にきつく止められてしまう。道場が誰よりも好きな香織は、後継者としての資格を得るべ

    『武士道ジェネレーション』(誉田哲也)の感想(257レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『王とサーカス』(米澤穂信)の感想(594レビュー) - ブクログ

    ずっと読みたいと思ってて、タイミングを見計らっていた。 主人公の太刀洗万智さんがでてくるで、ベルーフシリーズと呼ばれるらしい。知らなかった。ベルーフとは天職、職業という意味らしく、確かにジャーナリズムをすごく感じる作品。 太刀洗さんの話を時系列で読みたいと思ったら 『さよなら妖精』→『王とサーカス』→『真実の10メートル手前』 で読むと良いらしい。 完全に逆に読んでしまっているけど、きっと誰から読んでもとてもおもしろく、彼女の強烈な個性に魅力を感じると思う。 積読しながら次回は「さよなら妖精」も読みたい。 一介のフリージャーナリストなのに、話がどんどん大きくなるやん〜と盛り上がっておいて、二転三転していくストーリー展開に夢中になった。最後のオチも投稿することの大変さ、危うさを考えさせられるもので勉強になった。

    『王とサーカス』(米澤穂信)の感想(594レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『大きな音が聞こえるか (角川文庫)』(坂木司)の感想(69レビュー) - ブクログ

    700ページ越えの大長編! 主人公は裕福な家庭に、それなりに優しい両親、友だちもいるし、大学附属の高校に通う、恵まれた男子高校生、泳。 でも「何者にもなれない」不安やイライラが溜まっていて、不貞腐れている。 そんな中、趣味のサーフィンに関する情報、アマゾンには「終わらない波」ポロロッカが起きるという話を耳にする。 退屈な毎日にうんざりしていた泳は、このポロロッカに乗るという夢を得て、実現のために奮闘していく。 これだけのページを携えているからこそ、泳の成長や感情の揺れが丁寧に描かれている。 初めてのバイト、親への説得、初めての一人旅。 今まで関わらなかった年齢や国籍もバラバラの人たちと接すること。 いろんな経験が、泳を成長させる。強くする。 その過程を見てきた中での、ポロロッカ! 大迫力のシーンだった。 泳の興奮と冷静さを同時に垣間見て、「彼は大人になったんだな」と感じた。 果たして私は、

    『大きな音が聞こえるか (角川文庫)』(坂木司)の感想(69レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『~少女漫画誌60年の歴史~ りぼんの付録 全部カタログ』(烏兎沼佳代)の感想(9レビュー) - ブクログ

    懐かしい……!! その一言に突きます。 私がりぼんっ子だったのは80年代。 あの当時、りぼんは確か380円で、姉と毎月190円ずつ出し合って買っていました。 私たちは2人だけど、りぼんは1冊。 当然付録も1セットしかないので、一番メインの付録を、今月は姉、来月は私、という風に決め、その他のは相談したりジャンケンで分けあってました。 自分が好きな漫画の付録がメインの時は、姉に交渉したりして。 でも「ときめきトゥナイト」のは2人とも好きだったから、競争率高かったなあ……。 そんなことも思い出して、あー懐かしい。 欲を言えばもう少し、白黒でもいいから付録の写真をたくさん載せて欲しかったかなあ。

    『~少女漫画誌60年の歴史~ りぼんの付録 全部カタログ』(烏兎沼佳代)の感想(9レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『カツカレーの日 (1) (フラワーコミックスアルファ)』(西炯子)の感想(40レビュー) - ブクログ

    作品紹介・あらすじ 喫茶店のノートから始まる不思議な関係 同棲相手と別れ、お見合いを始めた会社員・美由紀、28歳。 だが、思うような相手とはなかなか巡り会えず、揺れる想いを読書カフェのノートに書き綴っていた。そこに見知らぬ男からの辛辣な返事が書き込まれていたことから、やりとりが始まって・・・!? 「娚の一生」「姉の結婚」の西炯子が描く、新感覚ラブストーリー。 【編集担当からのおすすめ情報】 2015年7月10日発売の書に続き、8月10日には「のこのこ!」、9月10日には「お父さん、チビがいなくなりました」と、西炯子の新作コミックスが3か月連続発売になります。それぞれ違ったタイプの作品ですが、よろしくお願いいたします。

    『カツカレーの日 (1) (フラワーコミックスアルファ)』(西炯子)の感想(40レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『鍵のない夢を見る (文春文庫 つ 18-3)』(辻村深月)の感想(596レビュー) - ブクログ

    『鍵のない夢を見る』辻村深月 今まで感じた辻村深月さんの爽やかさはない。 どの短編も人の中に潜んでいる感情が細やかに描き出されている。見たくないのに、、こんな展開にしなくていいのに、、と思いながら最後まで読まされてしまった。衝撃は『芹葉大学の夢と殺人』のラスト。『君家の誘拐』は育児ノイローゼに陥る母の錯乱。これが一番リアリティがあった。目を離せない、逃れられないと思えば思うほど、人は逆の行動をとってしまうことがある。言ってはいけないことが無意識に口から出てしまうように。そんな危うさは誰にもあるし、共感できる。救いがあってよかった。

    『鍵のない夢を見る (文春文庫 つ 18-3)』(辻村深月)の感想(596レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『カレイドスコープの箱庭 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)』(海堂尊)の感想(77レビュー) - ブクログ

    久しぶりのバチスタシリーズ。付録の作品相関図を見ると26冊あるようだが、9割方読んだように思う。 今回の作品は国際会議と誤診問題だが、誤診の推理の方は最初の方で犯人と構図が見えてしまう。相変わらず厚労省の白鳥による無茶苦茶な謎解きにより解決する。 なので、このは国際会議がメインテーマか。 主人公の田口講師がいつの間にか准教授に昇格。それも病院長代理のためとか。古狸の高階院長の手足となって東奔西走。このやりとりがいつも笑わせてくれる。田口医師は英語も出来ないのに米国のマサチューセッツ医科大学で事前の講演会。これも東堂教授による無茶苦茶な通訳で大成功。日の国際会議も短時間の準備にも関わらず、過去に出てきた個性的な先生方により無事終了。このシリーズのオールスターの揃い踏みといったところ。流されっぱなしの田口医師が病院長になる日が来そうだ。会議のテーマのAI診断の議論が長すぎるようにも思う。

    『カレイドスコープの箱庭 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)』(海堂尊)の感想(77レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『僕だけがいない街 (6) (角川コミックス・エース)』(三部けい)の感想(91レビュー) - ブクログ

    八代の幼少期のエピソードを聞いていて、こいつは完全なる悪だと感じました。ジョジョの吉良吉影を彷彿とさせるよつな日常に潜みし悪でハムスターのエピソードなんて特に印象的で狂気性を感じました。さらに加代がヒロミと結婚し子供まで生まれているところは、とても衝撃でした。しかし、この子供も悟が八代からの驚異から守らなければ生まれてこなかったのだからとても考え深かったです。そして、アイリとのまさかの再開で悟の中の閉ざされた記憶の扉が開くのだろうか?とても続きが気になる。

    『僕だけがいない街 (6) (角川コミックス・エース)』(三部けい)の感想(91レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『本なんて!作家と本をめぐる52話』(芥川龍之介)の感想(37レビュー) - ブクログ

    面白そうだと思い図書館で借りました。 時々、物語ではなく、こういう読書好きの方のエッセイが読みたくなります。 五十二人の作家のをめぐるエッセイ集です。 須賀敦子さんの「塩一トンの読書」は全集で一度読んだことがあるのに、全く覚えていなかったので、全集をもう一度読み返したいと思いました。 浅田次郎さんが一日四時間の読書を毎日する話は、どこか別ので読んだ記憶がありました。 私も、毎日、四時間の読書の時間が取れれば、もっと幸せだろうな~。と思いました。 長嶋有さんの「作家の好きな言葉」は笑いました! 古いところでは、寺田寅彦「鸚鵡のイズム」、芥川龍之介の「田端日記」、室生犀星のエッセイではなく「門」という美しい詩も載っています。 一番若いのは朝井リョウさんかな。 何か面白そうなが紹介されていないかと思ったのですが、古いのものが多く、私には難しそうでした。(古いものも、時間があればゆっくり読み

    『本なんて!作家と本をめぐる52話』(芥川龍之介)の感想(37レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『リカーシブル (新潮文庫)』(米澤穂信)の感想(182レビュー) - ブクログ

    久々の米澤穂信作品。 田舎特有の息苦しさとそれに立ち向かう少女の成長物語であった。序盤は都会から越してきた血の繋がらない母親・弟の関係性が中心だったが段々と、得体の知れないものが迫っていくサスペンス要素が強くなっていくところが面白かったです。 黒幕については登場人物が少ないからか、直ぐに見当はついたもののその予想をおおきく上回る所がとても良かったです。まさか、町ぐるみで、しかも母親を巻き込んでまで彼の記憶を呼び戻そうとしていたという事への衝撃やそこまでして水野報告を手に入れたいのかと驚きが隠せなかった。それが当たり前に行われている所が、それによって人を追い詰めることが出来てしまうというのがとても恐怖を感じました。 そしてもうひとつの要素として血の繋がらない姉弟の絆も軸となっている。最初はどこかぎこちなくお互いに「バカ」呼ばわりしていたのが、サトルの秘密が明らかになっていくとともに彼の事を見

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    booklogjp 2015/06/18
  • 『何者 (新潮文庫)』(朝井リョウ)の感想(1891レビュー) - ブクログ

    私の中の朝井リョウさんは、エッセイの「腹と修羅」イメージが強すぎて、(失礼ながら)笑ってしまいます。真剣さの陰にある滑稽さ‥ぷぷぷっ‥。 作は、大学生たちの就活を扱った物語です。就活を通して、人の性を炙り出すような作品だと思いました。 個人的には某採用試験のみで、数多の入社試験の受験経験がないので就活の実体験が乏しいです。それでも、人生の中で一時的なものだとしても、当事者にとっては今も昔も十分過ぎるほど思い惑わされる一大イベントに他なりませんね。 「自分を飾る、誇張、打算、演技」から、「落ちる、拒絶?、自信喪失、人間不信、諦念」につながる心理描写は、読み手の心理までも見透かされているようで、恐ろしささえ覚えます。 また、SNSの危うさを巧みに織り交ぜながら、日頃私たち人間が使う「言葉」について、その重みを考えさせられました。 痛くてカッコ悪くても、何者にもなれなくても、それを自分で認め

    『何者 (新潮文庫)』(朝井リョウ)の感想(1891レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『大奥 12 (ジェッツコミックス)』(よしながふみ)の感想(106レビュー) - ブクログ

    この巻で物語の柱の一つであった赤面疱瘡の克服に一区切りがつけられる。 吉宗が見つけた始まりの記録、それにより吉宗がまいたあらゆる種を彼女が見出した田沼が育て、皮肉なことに吉宗自身によく似た面差しを持った定信がそれをいったん潰し、逆転して以来初の男性の将軍である家斉がそれをもう一度育てる。 将軍家や幕閣という読者にとっては遠い存在の間のドラマだけではなく、そこには三巻かけて描かれるマイノリティや市井の人々の熱い戦いがある。 よしながふみの最大の強みは構成力だと思うが、12巻でこの内容を過不足なく詰め込む技量は同世代の作家には正直見られないと思う。多すぎたり少なすぎたり冗長だったりするものだから。 御台所と滝沢の策略は読者の半分以上は読んでいたと思う。けれど、治済のサイコパスぶりのすさまじさにはらはら感を最後まで持ち続けられた。 家斉を殺すことに決めた彼女の表情、共感性のかけらもない化け物が我

    『大奥 12 (ジェッツコミックス)』(よしながふみ)の感想(106レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『ホテルローヤル (集英社文庫)』(桜木紫乃)の感想(576レビュー) - ブクログ

    桜木紫乃さん2冊目。直木賞を受賞した代表作を読みたくて購入。 家業のラブホテルであるホテルローヤルの仕事を高校生の頃から手伝っていた、という経歴からホテルローヤルに関わる人々の生態が事細かに綴られている。 7つの短編がホテルの廃墟から始まり、ホテルが作られる時期まで遡っていくという逆回しの展開。 廃墟のラブホテルの艶めかしいシーツの跡がある部屋で、彼女のヌード写真を撮る彼氏。挫折した彼の狂気的な撮影動機となった部屋は、そのホテルを廃業しようとした娘が、大人の玩具の営業と関係しようとして果たせなかった跡。廃業の原因ともなった女子高生と教師の心中は、後の短編に経緯が綴られる。 苦しい経営のお寺の奥さんが、お布施として檀家の 人達と関係を持つ話しは切ない。ホテルの従業員の奥さんは、どうしようもない家庭を耐えることで生きている。 暗く悲しい内容が殆どだが、淡々と、そして詳細に描かれている。ラブホテ

    『ホテルローヤル (集英社文庫)』(桜木紫乃)の感想(576レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『神様の御用人4 (メディアワークス文庫)』(浅葉なつ)の感想(149レビュー) - ブクログ

    人が神の祭りを行わなくなり神を信じなくなったために、力を失い記憶まで失いつつある神々の様々な「御用」を承る「御用人」となった良彦の奔走を描くシリーズ第四作にして初の長編。 日書記の中のほんの少しの記述しかないという「神武東征」の際に制圧された《名草戸畔》(なぐさとべ)の伝説。 こういう、歴史に埋もれたドラマはたくさんあるんだろうなと思うとこの物語も興味深く読めた。 今作では《名草戸畔》と《天道根命》の物語にリンクするように、良彦の友人・小野達也の家族の物語も展開。 良彦が《御用人》になる前に意外な事実があった。 相変わらずモフモフ狐の神様《黄金》と良彦とのコンビは良い。 べるの(特にスイーツ)大好き、肉球で『テシテシ』と良彦を叩くところも可愛い。 そこにイケメン《大国主命》にセレブ系美女の《須勢理毘売》(すせりびめ)夫婦の乱入もあって賑やか。 正式に《御用人》となった(状況は全く変わら

    『神様の御用人4 (メディアワークス文庫)』(浅葉なつ)の感想(149レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『仙台ぐらし (集英社文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(217レビュー) - ブクログ

    私が読む、アンソロジーを除く伊坂幸太郎氏の28冊目にして初のエッセイ(ほんの一部、タクシーの話には創作も含んでいるらしい)。 と言っても、どうやらエッセイは書以外にはもうお書きにならないとのこと。 あれらの突拍子もない不思議な小説を生み出した方が、こういう感じの方だというのが少し意外であった。 とても普通で小心者で優しくて真摯な方で、とてもとても素敵な方だと知った。 何故書を読んだかというと、今夏の家族旅行は仙台1泊のみ(私は仙台に行くのは初めて)の予定だから、ただなんとなく。 ブクログ棚に「読み終わった」登録はしてあるもののレビューを書いていなくて内容も思い出せない、主に初期の頃の作品を、読み返してみたくなった。

    『仙台ぐらし (集英社文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(217レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『俺物語!! 9 (マーガレットコミックス)』(アルコ)の感想(55レビュー) - ブクログ

    作品紹介・あらすじ 高2の夏休みが到来し、大和はケーキ屋さんでのバイトを始めることに。そこで出会ったイケメンパティシエの一之瀬さんは、ちょっと思いこみが激しい性格!? 大和の素直な言動で「俺のこと好きなのか」と勘違い! さらに「凛子」と呼び捨てまで…。ライバル出現で猛男は!?

    『俺物語!! 9 (マーガレットコミックス)』(アルコ)の感想(55レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『コーヒーゼリーの時間』(木村衣有子)の感想(15レビュー) - ブクログ

    作品紹介・あらすじ 邦初!!コーヒーゼリーブック登場!関東・関西の厳選店を一挙紹介。関連コラム、豆知識も充実。

    『コーヒーゼリーの時間』(木村衣有子)の感想(15レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『たいようのいえ(13)<完> (デザートコミックス)』(タアモ)の感想(19レビュー) - ブクログ

    作品紹介・あらすじ 「やっと言えた…。」改めて基と2人きりでデートをすることになった真魚は、意識しまくってしまって、普段通りにできない。そんな真魚にも優しく合わせてくれる基。お互いのこれまでを振り返って…そして、ついに我慢しあってきた想いを告げる時が!! 年の差幼なじみのラブストーリー、涙、涙の完結第13巻!! 感動のフィナーレ!!

    『たいようのいえ(13)<完> (デザートコミックス)』(タアモ)の感想(19レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『きのう何食べた?(10) (モーニング KC)』(よしながふみ)の感想(133レビュー) - ブクログ

    思わず、ホットプレート買いそうになったよ。 なんだかんだと、影響力があってこまるww にしても、まぁ、二人ともいい年齢なので、それなりに社会的地位(?)みたいものの圧力がきてるわけだ。 NOTマイノリティでもしんどいなって思うのに、マイノリティであるゆえに、さらに圧迫されて、読んでてしんどかったよ。 が、どんな時でも美味しいご飯と、お互いを思いやれるパートナーがいれば、なんとかなるってわかるというか、それがメインできちんと伝わってくる。 人間、べることをおろそかにしちゃだめだよね。 にしても、家族が増えていく佳代子さんちと、決してそういうことにならないシロさんちの切なさを、スイカで表現してくるところが心憎い。 なんか、こういうのってわりとずんとくるんだよね。 ああ、今日はコロッケ作るぞ!!

    『きのう何食べた?(10) (モーニング KC)』(よしながふみ)の感想(133レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • st0710さんの感想・レビュー

    とても優しいでした。 文章が上手でサクサクと頭に入ってきます。 設定が手作りの手芸屋さんを舞台にしていたり、 失恋したばかりの女性が主人公だったりと、 かなり安直かな、、、と読み始めは思いました。 つまり、 初めは淡い雰囲気で何気なく読み進めたのですが、 次第に主人公の苦悩や焦り、苛立ちが自分自身と重なってきました。 「あ、、、分かる」。 劣等感と言う名のコンプレックスから来る妄想が、 相手の気持ちを勝手に斟酌して作り上げ、やがてそれが固定化していく。そして気がついたら、その妄想に雁字搦めになりもがいて行く様が、なんと私であろうかと、思いました。 そして、周りの人のそれぞれの人生を織り交ぜながら、 自分の気持ちを見つめ、乗り越え、そして超えられないものは「折り合いをつけていく」ことを主人公は学んで、小説は終わります。 読み終えた後のうっすらとした涙と爽快感がたまらなく良かったです!!!

    st0710さんの感想・レビュー
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『ビオレタ』(寺地はるな)の感想(189レビュー) - ブクログ

    『いつも心に棺桶を。』社訓としてこのセリフを毎朝唱えることから始まる有限会社ビオレタ。ちょっとだけ違和感を感じる物語の始まり。『結婚、しとこうか? 』などという軽いのか、いい加減なのかわからない彼からのプロポーズ?を『そういうものなのだ』と受け入れてしまう主人公・妙。でもそんな結婚生活が訪れることはなかった。そして、社訓を唱える妙の毎日が始まった。そんな前提から始まるストーリー。 大切なものを入れる宝石箱のように、忘れられない記憶や大切な感情、想い出の品々等、処分したいけどできない、自分にとって行き場のないものって誰にもあると思います。そんな時に利用する綺麗な小箱、お客さんが望めば庭の片隅に埋葬してくれるサービス付。だから小箱を棺桶と呼んでいる。なんとも面白い設定です。普通ならこの小箱を埋葬する人たちをたくさん登場させて、その裏にある物語を展開させても面白そうなところ、寺地さんは妙の心の動

    『ビオレタ』(寺地はるな)の感想(189レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
  • よぴ吉さんの感想・レビュー

    予約して買った,クマムシ研究者堀川大樹さんの100%クマムシ。他の生物なし。 ちなみに,編とは全く関係ないのですが,長女ひでひ子(仮)と次女みき(仮)は,表紙の秘密に気づいたとき,二人とも大受けしていました。 クマムシ博士である堀川大樹さんの,今までの研究人生をつづられた書籍。 堀川さんが地上最強生物といわれるクマムシと出会い,研究に勤しんできた日々が書かれています。 研究者だから,つまらない文章だろうと思ったらとんでもない。 確かに,何でもないボンクラ主婦のオイラにとっては,正確を期するために,必要以上に緻密に,長いと感じる部分があります。 ところが,その内容を説明するためにいきなり「婚活パーティーに参加しても理想の人が見つからなかったのに,ある日他部署から異動してきた人に一目惚れした」「進撃の巨人に出てくるような,数重に囲まれた街」といった,比喩表現が出てくるのです。研究者でありな

    よぴ吉さんの感想・レビュー
    booklogjp
    booklogjp 2015/06/18
  • 「趣味は小説を読むこと」と言うために読んでおきたい小説31選 - ブクログまとめ

    小説をあまり読んでこなかった私が、小説をよく読む友人におすすめをいくつか紹介してもらったので、その作品をまとめてみました。シリーズ系は1作品と計算して31作品をまとめています。2013年度内までに全部読む予定。 伊坂幸太郎作品5選

    booklogjp
    booklogjp 2015/06/18
  • Pipo@ひねもす縁側さんの感想・レビュー

    あんまり「いい」「いい」という評判ばかり聞くものだから、かえって読書リストから外そうと思っていたのだが、読まないといけない(わけでもないけど)機会ができて手に取った。 原題も"Stoner"。日の名字的に訳すと「石田さん」「石さん」など、わりあい多くてポピュラーなものとなるんだろう。そして、ストーナー氏が家業がらみで農場技師になるべく大学に進学したことも、おそらく当時ポピュラーな人生だ。そして、自分が機械的に目指していたものとは違う学問にひかれるのもポピュラーなことだろうが、ここで啓示を受けたようなこの瞬間の描き方が美しい。翻訳家の若島正さんが、数学将棋にまい進していたお若いころに、英米文学を読んで一気に進路を変えられたとエッセイで読んだことがあったが、それを彷彿とさせる描写だった。 美しく富裕な娘と一目ぼれで結ばれるも、夫がお互いの財産に対する考えの齟齬、人生に関する目算の違いで

    Pipo@ひねもす縁側さんの感想・レビュー
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    booklogjp 2015/06/18
  • 『銀の匙 Silver Spoon (13) (少年サンデーコミックス)』(荒川弘)の感想(143レビュー) - ブクログ

    すぐに西川くんに電話をして相談する八軒君も、俺の事はどうでもいいが友達が迷惑を被っているのは黙っていられないと言う西川君もやっぱり良い人。 八軒君のお父さんの写真が魔除けにされているのが笑えますかさず名刺を渡して連絡先を交換するの、かなりコミュ力が高いです。 成績にはつながらなくても、場内から拍手をもらうというのはとても嬉しいでしょうね。 しかも、全国大会出場。 中島先生が八軒君のご両親を呼んでいたことが驚きです。 お前がもっと励めば1位も狙えたはずだと言ってしまいそうと言うお父さん、相変わらずといえば相変わらずですが、 そう言ってしまうから会わないと言うのは優しさなのかもしれません。 歌ファンドは後輩に引き継いで、メインスタッフではなくなっているのですね。 少し寂しい気もしますが、それがそれがエゾノーの女財産になっていくのでしょう。 プロジェクト合同のピザ試会。 どれも美味しくてどれを

    『銀の匙 Silver Spoon (13) (少年サンデーコミックス)』(荒川弘)の感想(143レビュー) - ブクログ
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    booklogjp 2015/06/18
    本日は、荒川弘さんの『銀の匙 Silver Spoon 13巻』が発売です!
  • ドクバリさんの感想・レビュー

    ほぼ初めての東野圭吾、分厚い白夜行。 こんなメジャーの作家さんの作品をちょー笑顔で肯定するのはこっ恥ずかしいけどスゲー面白かった。 伊坂も好きだし東野圭吾も好きだしってなると、どんだけ流行りもの好きなんだよ感じだけれども、結局は人気がある作家さんにはやはり、人気になるだけの理由があるのだなーと思ったわけで。 まず、やっぱり読みやすい。そして正直、気持ちの良い内容の話ではないのに、の中がとても居心地が良い。これほどまでに、「ずっとあっちにいたい、仕事行きたくない、早く続きが読みたい。」って状態になったのは久しぶりだったかも。 作風については、すごく“臭わせてくる”作りだったと思う。 わざと読者に分かるようにヒントを散りばめてくるので「もしかして~なのか」ってイメージをずっと維持したまま最後まで読んじゃったって印象。 こういう読者に親切な小説はあまり読んだことが無かったので個人的には新鮮。

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    booklogjp 2015/06/18
  • 『学生時代にやらなくてもいい20のこと』のレビュー 朝井リョウ (tokudaidokushoさん) - ブクログ

    「 便意に司られる」 から始まるこのエッセイの作者はお腹が弱い。とにかくお腹が弱い。 私はお腹が普通なので共感は出来ないが、お腹が弱い人たちの中では「あるある」なのかもしれない。お腹の弱い人は是非。 あ!お腹が弱くなくても、笑えるのでオススメです。朝の通勤通学の時などに読むと、ポジティヴな一日の始まりになることでしょう。(fuk) タイトルを見ただけでは、正直どんな内容のなのかは分かりませんでしたが……これは面白い。お腹が弱い人向けのネタ、私もよく腹痛に見舞われるのでよく分かります。著者がとても楽しそうな学生生活を送っていたということがよく伝わってきました。 ──大学生活は、一度きり。このに書かれているような特殊なことはしなくとも、目一杯、この一度きりの大学生活を楽しみたい……そう思わせるようなです。大学生のうちに手にとることができて良かったと思いました。(haru) ま

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    booklogjp 2015/06/18
  • pippin幸せさんの感想・レビュー

    このブクログに紹介されていたレビューを読んで購入。普段はこういったエッセイのようなものはあまり読まないのだが、これは読んでよかったと思う。 モデルや女優という華やかな世界の人でありながら、日常生活を大切にきちんと前向きに生きている人なんだと感じた。それでいて、変な力が入っていない、ほのぼのとした空気感が文面からも、かわいいイラストからも感じられる。 私も、私の周りの人や愛犬との出会いに…感謝。

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    booklogjp 2015/06/18
  • 『随筆 本が崩れる』のレビュー 草森紳一 (tokudaidokushoさん) - ブクログ

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    booklogjp 2015/06/18
  • 丘村さんの感想・レビュー

    カウンターの向こう側にいる職人さんや仲居さんたちがどんなところを見ているのか、どうあればありがたいと感じるのかわかるや場を楽しむ、やり取りを重ねる、そこからまた新しい関係を紡ぐ、これらのプロセスを粋だと思う人は読むと学ぶことが多い。もっと効率的にしたい、自由に振舞いたい、という人は面倒に感じると思う。どちらが正しいわけでもないので、この自体が自分の傾向を知るリトマス紙みたいな役割かも。違う人の同様のも読んでみたい。共通点があればそれは「外せない」事柄だとわかるので。

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    booklogjp 2015/06/18
  • 鈴代さんの感想・レビュー

    昔話や古典文学のパロディ小説で大人気の ブログが書籍化。 「J−POPによくある歌詞だらけの『桃太郎』」 「ラノベのような『走れメロス』」 「おとぎ話の主人公が高田純次だったら」など収録。 すごく…くだらないですよね…! くだらないですけど、面白いですし それぞれの描写がうまくないと 伝わらないわけで、すごいな~と思います。 個人的に「読書を始めたての中学生に人気な 『桃太郎』」が好きでした。 特徴をつかむと、ホントですよね、 こうなりますよね…(笑)

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    booklogjp 2015/06/18