イエスタ・エスピン=アンデルセンという福祉国家論(正確には福祉レジーム論)の大家がいる。デンマーク人の学者で、20世紀の福祉レジームを「社会民主主義的」(北欧諸国等)、「保守主義的」(ヨーロッパ大陸諸国等)、「自由主義的」(アングロ・サクソン諸国等)という3つの類型に分けて論じたことで知られる。 昨今の保育園問題を機に、にわかに日本の社会保障制度やシステムについても改革の機運が高まってきたようなので、彼がかつて日本社会の未来について語っていたことを改めて知るのも良いかなと思う。1999年の『ポスト工業経済の社会的基礎』という本には日本語版序文があって、17年前に書かれたとは思えないほど、いま取りざたされている問題の本質が描出されている。ページ数にしてわずか6頁の小文である。 ポスト工業経済の社会的基礎―市場・福祉国家・家族の政治経済学 作者: G.エスピン‐アンデルセン,Gosta Esp
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