ブタのパレードの向こうから ──批評はアリエル・ピンクをつかまえるか松村正人 ケヴィン・エアーズが死んだのは一昨年の早春だから野田さんに追悼文書きますよ、とやすうけあいしたままそろそろ2年が過ぎようとしている。さいきんとみに時間の流れがはやい。このままではケヴィン・エアーズの追悼文を書く前に私が追悼文を書かれるだろう、書いてくれるひとがいればだが。私はもうしわけない、エアーズさん、と敬称をつけると妙な気がするが呼び捨てにしない間は死んだ人間はいくらかまだこちら側にいる。高倉健さんとか菅原文太さんとか。そういえば保坂さんと湯浅さんの『音楽談義』の、クリームをクサしたくだりを校正していたときにジャック・ブルースさんは死に、本が出てしばらくして同じく文中であつかったジョニー大倉さんが亡くなられた。そろそろ大瀧詠一さんの一周忌になる、などと連想が止まらなくなったのはアリエル・ピンクのソロ名義ではは