ジョー・バイデン米政権が、アフガニスタンでの駐留米軍撤退を8月末までに完了させる方針を示したことで、反政府武装勢力「タリバン」は大統領府を占拠するなど、全土支配をほぼ実現させ、勝利宣言した。「9・11」から20年となることを受け、計画された撤退はあまりに性急すぎて、米国は国際社会に恥をかいてしまった。 米軍が撤退することで、アフガンの女性や子供の身に危険が及ぶことが予想される。すでに空港に国外に脱出しようとする市民が殺到し、略奪が行われているとの報道もある。アフガン政府軍や米国に協力した人々も危険だ。数万人が「特別移民査証(ビザ)」の対象になるという。バイデン政権は、米国民らの退避を支援するため、部隊を追加派遣する。 これらの混乱ぶりは、長年に渡ってアフガンに関わってきた「米国の敗北」を象徴しており、「米国の弱体化」を連想させる。これを喜ぶのは中国とロシアだけといったところだろうか。 ただ