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ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (7)

  • 竹内桂『三木武夫と戦後政治』 - 西東京日記 IN はてな

    実は書の著者は大学時代のゼミも一緒だった友人で、いつか書いたを読んでみたいものだと思っていたのですが、まさか「あとがき」まで入れて761ページ!というボリュームのを書き上げてくるとは思いませんでした。 タイトルからもわかるように三木武夫の評伝なのですが、タイトルに「戦後政治」と入っているように三木武夫を中心としながら三木が亡くなるまでの戦後政治をたどるような内容になっていることと、「政局」と「政策」の双方を追っているとことが、書がここまで厚くなった理由でしょう。 「バルカン政治家」という異名からもわかるように、三木武夫というと「政局の人」というイメージが強いですが、書はその「政策」をきちんと追うことで、三木の行動原理のようなものがわかるようになっています。もちろん、その判断は権力闘争と密接に絡まっているわけですが、権力闘争と政策が渾然一体となっているところが三木の面白さかもしれま

    竹内桂『三木武夫と戦後政治』 - 西東京日記 IN はてな
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/07/01
    “「非推薦で当選」という看板は戦後の三木にとって大きな資産となりました。三木は当選後には翼賛政治会に参加し、鈴木貫太郎内閣では軍需参与官に任命されていますが、戦後に公職追放されずにすんだのです(”
  •  河西秀哉『近代天皇制から象徴天皇制へ』 - 西東京日記 IN はてな

    GHQが天皇を「象徴」とする憲法草案を示したとき、それを受け取った政府には思いもよらない条項だったと言われていますが、その割には意外とスムーズに象徴天皇制は定着しました(占領期の行動やたびたび内奏を求めたことなど、昭和天皇には「象徴」をはみ出すような行動があったことも事実ですが)。 それにはもともと昭和天皇がイギリス流の立憲君主制に理解が深かったといった要因もありますが、このでは象徴天皇制へのスムーズな移行の一因を大正期以降の知識人による象徴天皇制に親和的な言説に見ています。戦後民主主義の源流を大正デモクラシーに求める見方がありますが、書では天皇制に関しても似たような関係があることを示しています。 著者は天皇の退位問題などでたびたびメディアでも発言している歴史学者。以前に紹介した茶谷誠一『象徴天皇制の成立』が象徴天皇制の成立を占領期の宮中というインサイドから分析しているのに対して、著者

     河西秀哉『近代天皇制から象徴天皇制へ』 - 西東京日記 IN はてな
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2018/05/19
    “もしも将来、「人格」が評価されない天皇が出現した場合、象徴天皇制がどのように動揺するのか”/各種宣伝や菊の代紋による威圧でもって「人格」を大衆が評価するようにもってくだけでは。たぶん今もそうでしょう
  •  『舞妓はレディ』 - 西東京日記 IN はてな

    ミュージカル仕立てのコメディというそれほど好きではないジャンルの映画なんですけど、周防正行監督ということで見てきました。 まあ、尖ったところはないですけど、老若男女が安心して楽しめて笑える映画。カリカチュアライズが上手い周防監督ですけど、今回もその技は冴えている。 舞妓になりたい女の子の奮闘を、言葉(方言)という道具立てを使って笑いに変えつつ、同時にシンデレラ・ストーリーに仕立て上げています。 ただ、周防監督だから大ハズレはないと思いつつも、心配したのは結局は竹中直人や渡辺えり子で笑いを取るだけなんじゃないかということ。 確かに『Shall we ダンス?』の竹中直人と渡辺えり子は面白かったですが、あれから20年近く経っている中であのキレを期待するのは無理があるわけで、この二人頼みだったらちょっと厳しいかなという印象を持っていました。 ところが、映画の冒頭で登場する最初の客が高嶋政宏とジロ

     『舞妓はレディ』 - 西東京日記 IN はてな
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2014/09/20
    あたいも観たでー/「最近急速に胡散臭くなってきた高嶋政宏と天然で胡散臭いジローラモの起用」「長谷川博己は胡散臭さとかっこよさのライン上を全速力で駆け抜けることができるような役者」w
  •  清水克行『喧嘩両成敗の誕生』 - 西東京日記 IN はてな

    2006年に出版され評価も高いですが、やはり面白いですね。 タイトルが「喧嘩両成敗の誕生」となっているように、喧嘩両成敗の中身よりも、喧嘩両成敗という日人は当然のように受け入れていながら実は他ではあまり見られないルールがどのような時代背景の中で誕生したかを探ったです。 このに描かれているアナーキーで過剰で血なまぐさい室町時代の日の様子は、「美しい国・日」みたいな言説を吹き飛ばすインパクトがあります。 第一章の冒頭で紹介されるのは、酔った北野社の社僧(神社に仕える僧侶)と稚児の一行が、金閣寺の門前で金閣寺の僧が立ち小便をしていたのを「笑った」ことから、双方殺し合いとなり、さらにあわや北野社と金閣寺の全面そうになりかけたという1432年のエピソードです。 「お釈迦様が泣くぞ!」としかいいようがないエピソードですが、室町時代は武士だけでなく、僧侶や商人や土民もすぐにキレて殺し合いにな

     清水克行『喧嘩両成敗の誕生』 - 西東京日記 IN はてな
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2014/04/14
    室町時代過酷杉ィ!
  •  テツオ・ナジタ『原敬―政治技術の巨匠』 - 西東京日記 IN はてな

    前に読んだ、黒澤良『内務省の政治史』に参考文献としてあがっていたことから知った。1974年出版の古いながら非常に面白いですね。 1905年から1915年にかけて、原敬が政友会を躍進させた10年間を分析したで、副題が「政治技術の巨匠」となっているように、原がいかなる手練手管をもって政友会という組織を成長させたか、そして政党嫌いの山県有朋にその政友会と原という政治家の存在を認めさせることができたのか、といった部分に焦点を当てています。 ここ最近、日政治史において、政友会よりも民政党(憲政会)を評価するが多い印象があります(例えば、坂野潤治『日近代史』などでは露骨に政友会を低く、民政党を高く評価している)。確かに、田中義一以降の昭和の政友会というのは、「民主主義の足を引っ張った」部分も多く、評価できる部分は少ないかもしれません。また、「我田引鉄」と呼ばれた政友会の利益誘導政治も、自

     テツオ・ナジタ『原敬―政治技術の巨匠』 - 西東京日記 IN はてな
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2014/04/14
    「原がいかなる手練手管をもって政友会という組織を成長させたか、そして政党嫌いの山県有朋にその政友会と原という政治家の存在を認めさせることができたのか」/咢堂は人望がなかったというわな
  •  斉藤淳『自民党長期政権の政治経済学』 - 西東京日記 IN はてな

    いろいろ忙しくて読むのに時間がかかってしまったけど,これは面白い。 読み終えて思ったのは「自民党政権と貧困ビジネスは同じだったのか!」ということです。 著者はエール大学の助教授にして、2002年には山形4区から衆院の補選に立候補して当選し、1年ほど衆議院議員も務めたという異色の人物。かなり難解なゲームの理論などを駆使しており、読みやすいではないかもしれませんが、所々には自らの議員活動の経験から書かれたコラムも載っており、難しい部分を飛ばしても楽しめる内容になっていると思います。 1955年から1993・94年の細川・羽田政権の例外をのぞいて50年以上与党で在り続けた自民党自民党は外交では現実的な政策をとりつつ、経済成長と農村への所得の再分配を両立させて長期政権を維持したというのが一般的な理解なわけですが、長期政権の理由はそれだけだったのか?そして自民党の長期政権が続いたにもかかわらず

     斉藤淳『自民党長期政権の政治経済学』 - 西東京日記 IN はてな
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    bt-shouichi 2010/12/24
    今度図書館で借りよう
  •  3冊の『思想地図』 - 西東京日記 IN はてな

    出たばかりだけど『思想地図β』、面白いです。 巻頭の猪瀬直樹+村上隆+東浩紀の「非実在少年」をめぐる対談も熱いですし、その他の特集も非常に力が入っているのですが、一番面白かったのは「ショピングモーライゼーション」というショッピングモール特集。そして、その中でも東浩紀+北田暁大+速水健朗+南後由和の座談会の東浩紀と北田暁大の対立が非常に面白いし、考えさせられた! もともと『思想地図』という雑誌はという東浩紀と北田暁大の二人で始めた雑誌でNHK出版から出ていました。ただ、メンツの割にいまいちな面もあって当に面白くなったのは、二人の路線が完全に決別した『思想地図vol.4』以降。 東浩紀が宇野常寛と組んだ『vol.4』は、学問的なものを捨てて、完全に「評論」に軸足を移したつくりで、村上隆とか山寛とが対談に参加、阿部和重や鹿島田真希が短編を寄せ、さらに宮崎哲弥なんかを入れた対談もあって、完全に

     3冊の『思想地図』 - 西東京日記 IN はてな
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2010/12/23
    北田も東も、四十路になってようやく人並みに成熟しなきゃと思うようになっただけでは…まぁそれ自体は成長だし悪いことじゃないが、やっぱり狭い世界の人たちならではって気もする
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