底入れ感が出始めているとはいえ、日本経済はなお未曾有の危機の中にある。2008年4〜6月期から4四半期連続でマイナス成長、特に09年1〜3月期は前期比マイナス4%成長、年率換算でマイナス15・2%成長と、戦後最悪の大不況に陥っている。 政府は経済危機対策の一環として15・4兆円規模の財政支出増を決めた。だが、これは失業率を過去最悪の5・5%程度にとどめることを目標としており、今後急速に増大が予想される失業を食い止めるには十分ではなく、雇用問題の深刻化は避けられないであろう。 もちろんGDPギャップのすべてを財政支出で補う必要はない。昭和恐慌を上回る平成大恐慌となることを未然に防ぐために必要なのは、以下に述べるような、政府が考えるよりも大胆なリフレーション政策(以下、リフレ政策)である。 リフレ政策ではなかった量的緩和 リフレ政策の中心は貨幣ストックを大幅に増加させることである。日本銀