最近、「社会保障改革に関する集中検討会議」のメンバーのインタビューやら著作やらを拾い読みしている。「社会保障と税の一体改革」のための「検討会議」が消費税増税の地ならしであることは、佐賀県警の論理の崩壊ぶりになまじ引けを取らないほど自明なため、あらかじめネタバレの推理小説を読んでいるような気分が味わえるが、個々のプロットにはそれなりに衝撃的な発見もあったりする。その筆頭が、宮本太郎「幹事委員」責任編集の『自由への問い②社会保障――セキュリティの構造転換へ』(岩波書店、2010年)に収録されている山口二郎の巻頭論文(「生活保障としての安全保障へ」)だろう。 最初に、本シリーズの意図らしきもの(「編集にあたって」)を押さえておこう(強調は引用者による。以下同様)。 本シリーズは、自由をキー・コンセプトとして現代社会の問題状況を具体的に明らかにするとともに、私たちが自由を相互に享受することを可能に