サディストは、有り余るサービス精神がないと勤まらない。 SMクラブでは、ローソクを垂らしたり鞭を振るったりするほうがサービスを提供する側。 クラブでは、サディストとマゾヒストとは一種の演劇的な時空間を共有するけれど、 台本を書いて、動作を演出するのは全部鞭を振るう側の仕事。 M嬢に鞭を振るう趣味の男性も、何年かすると相手にサービスを提供し続けることに疲れてしまって、 いつのまにか、縛られたり、ローソクを垂らされたりする側に回ることが多いのだという。 クラブの「女王様」というのも想像以上にハードな仕事。ただ相手を痛がらせるんじゃなくて、 相手が罰を受ける理由とか、相手が満足できるような主従関係とか、お互いの関係という物語を 常に創造し続けなくてはならず、頭の回転がよくないと続かない仕事なのだという。 高級官僚とか、弁護士や医師といった実世界では「鞭を振るう」仕事をしているように見える人達には