■要旨 社会保障制度審議会(厚生労働相の諮問機関)介護保険部会で、3年に一度の介護保険制度に向けた見直し論議が進んでいる。今回のテーマとしては、介護予防の強化など5つの「検討事項」が挙がっており、2021年度の制度改正に向けて、有識者や業界団体などで構成する介護保険部会の議論が年内までに本格化する見通しだ。 では、これらの点について、どんな議論が考えられるのだろうか。あるいは背景として、何が考えられるのだろうか。介護保険部会では2月から議論が始まり、6月までに計4回の会合を重ねているが、本レポートは介護保険部会に提出された厚生労働省の資料に加えて、6月に決定された認知症施策推進大綱や「経済財政運営と改革の基本方針2019(以下、骨太方針2019)」を基に、全2回で2021年度制度改正を占うこととする。 (上)では介護保険部会で「横断的な検討事項」として挙がっている5つの点を考察し、「介護保
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