列島を揺るがせた衝撃的な事件によって、ある宗教団体の存在がにわかにクローズアップされている。安倍晋三元首相を参議院選挙での遊説中に銃撃し、死亡させたとして殺人容疑で逮捕された山上徹也容疑者(41)が、凶行の動機として上げたキリスト教系の宗教法人「統一教会」(旧略称。現・世界平和統一家庭連合)である。 1954年に教団を設立した教祖、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏は、安倍氏の祖父である岸信介元首相ら各国の要人に接近し、その関係性を喧伝することで組織を拡大していったとされる。 そして、半世紀以上にわたる活動で、日本の政界に浸透していった教団は、北朝鮮とも独自のパイプを築いていた。記録写真にも残る文氏と金日成(キム・イルソン)との“蜜月”のみならず、その関係は、3代にわたるロイヤルファミリーの世襲体制に引き継がれているという。 「金正日から統一教会の文鮮明総裁(享年92)に届けられた親書がある」