北から見直す日本史 上之国勝山館跡と夷王山墳墓群からみえるもの 網野善彦、石井進編著 / 大和書房 / 2001/06/05 ★★★★★ エキサイティング 本書の内容の紹介文を、「はじめに」から抜粋して引用しておく。少々長くなるが、非常に良い文章なので。 近年ようやく従来の日本の歴史の、こうした問題点[引用者註: 中央の「正史」と文字資料の重視]が指摘され、列島内の各地域の独自な歴史性や、それらが複雑にからみ合いつつ織りなしてきた全体的な姿を解明しようとする研究が様々な形で始まってきた。本書はその中でも本州の北方に拡がる北海道を中心とする北の世界から日本史を見直そうとする試みの一つである。具体的には北海道道南の檜山郡上ノ国町にある中世後期の城館勝山館の過去二十年にわたる考古学的発掘の成果を手がかりとしつつ、ひろく北方世界の歴史を明らかにしようとしている。勝山館の概要については、本文の最初の