判決を受け「完全勝訴」などと書かれた紙を掲げる原告の弁護士ら=名古屋市中区で2023年11月30日午後3時5分、兵藤公治撮影 生活保護費の引き下げは生存権を保障した憲法25条に反するなどとして、愛知県内の受給者13人が国や居住自治体に減額決定の取り消しなどを求めた訴訟で、名古屋高裁(長谷川恭弘裁判長)は30日、受給者側の請求を棄却した1審・名古屋地裁判決を取り消し、国に1人1万円の慰謝料を支払うよう命じた。また、厚生労働相による基準額の引き下げが生活保護法に違反するとし、自治体の減額決定を取り消した。 全国29地裁に起こされた同種訴訟で、国の賠償責任を認めたのは初めて。2審判決は、原告側の逆転敗訴となった今年4月の大阪高裁に続き2件目。司法判断は割れており、1審判決が出ている22件のうち12件が減額処分を取り消した。