記者が(特に中小の)サプライヤーを取材した際,そのサプライヤーの客に関する批判を聞くことは珍しくない。まぁ,話しているうちは威勢が良いのだが,話し終わると「オフレコで」ということになる。そのような話は誇張されていることも多いし,検証しようもないので,話半分で聞くことにしている。だが,客に面と向かって言っているのを目撃したとなると話は別だ。 その舞台は昨日まで開催されていた「型技術者会議」である。セッションの一つに,中小の金型メーカーの経営者が「生き残り策」を語るものがあり,とある金型メーカーの経営者(A氏としよう)が講演し終えたところだった。その内容は「顧客ニーズを先取りして提案できる金型メーカーを目指す」というものだったが,具体策には乏しく,正直なところ筆者には退屈に思えた。とはいえ,このセッションそのものが「景気付け」的な位置付けにあることも否めず,そういう意味では主催者の期待に応えた