ドイツのメルケル首相は29日、ギリシャとスペインからドイツに入国した難民や移民を送り返すことで両国と合意したことを明らかにしました。ドイツでは、難民の受け入れをめぐって連立政権の中で対立が激化し、政権が崩壊するおそれも指摘されていましたが、EU=ヨーロッパ連合の首脳会議を含めた一連の合意によって、危機はひとまず回避されるという見方が強まっています。 ドイツでは、連立与党の1つで難民の受け入れに厳しい「キリスト教社会同盟」の党首を務めるゼーホーファー内相とメルケル首相が対立し、会議の結果次第では、連立政権が崩壊するおそれも指摘されていました。 しかし、「キリスト教社会同盟」の幹部からは、EUの首脳会議で難民か移民かを審査する施設の設置を検討することなどで合意したことと、今回、両国と合意したことを評価する声が出ていて、危機はひとまず回避されるという見方が強まっています。