<「バブル崩壊」の一方で「EVとAIが躍進」する中国。矛盾する14億人経済の謎を、話題の新刊『ピークアウトする中国』を著者自らが解説> 中国経済は今、どんな状況にあるのか? シンプルな問いだが、答えるのは案外難しい。AI(人工知能)やEV(電気自動車)など、輝かしい成果を出している産業や企業が多い一方で、不動産価格の下落は止まらず消費不況の色も強まっている。光と影、いったいどちらの中国が真の姿なのか? 最新AIディープシークの衝撃 まずは光の側面を見ていこう。 中国発の最新AIディープシークが世界に衝撃を与えた。性能の高さもさることながら、開発にかかるコストが従来の10分の1、運用コストは数十分の1という劇的なコストダウンが世界に衝撃を与えた。これまでAI開発はパラメータ数(変数の数)、データ量、計算量を肥大化させれば性能が上がるという法則に準じて開発を進めてきた。どれだけ資金を投入できる