前回は日本初のハイレゾリューション(ハイレゾ)のストリーミングサービス「Amazon Music HD」を紹介した。今回はハイレゾ音源の存在意義について考察すると共に、音楽制作に携わる筆者のハイレゾにまつわる体験談を紹介したい。 プロの現場に「ハイレゾ音源」は必要 人間の耳は約20kHzの音までしか聞こえないのに、「ハイレゾ音源」に意味はあるのか──。 ハイレゾ音源を語る際に常に論争を呼ぶテーマがこの「20kHz問題」だ。解像度24bitという多くの情報量や48k〜96kHz(サンプリング周波数は96k〜192kHz)以上の高い周波数を記録可能なハイレゾ音源だが、人間の可聴範囲とされる数値を超えたスペックに意味があるのか、との問いかけである。 実際、本連載でも約5年前に同様のテーマを記事にすると、ソーシャルメディアはもちろん、筆者への直接の連絡も含め、数々の意見が寄せられた。中には攻撃とし