クリエイティブの力で業績を伸ばし続けるピクサー。その経営者であるエド・キャットムルが書いた『ピクサー流 創造のちから』は、イノベーションが求められる時代に、経営者が何をすべきかを語っている。 戦略家でもない、アーティストでもない、新しいタイプの経営者 新刊の『ピクサー流 創造のちから』の読後感は実に気持ちのいいものでした。著者であるピクサーの創業者であり社長である、エド・キャットムル自身が実践した経営を率直に、何の飾りもせずに語っているからです。 ピクサーと言えば、『トイ・ストーリー』や『ファイティング・ニモ』などのアニメ映画で知られますが、驚くべきは、制作した14本の映画がすべて大成功を収めていることです。まさにクリエイティブな企業の典型ですが、業績が伴っているところが単なる「創造性にあふれた企業」との大きな違いです。この会社のかじ取りをしているのが、著者のキャトムルであり、その経営者像