新卒採用の選考では「コミュニケーション能力」を重視するという企業が9割近くにのぼる。なぜ、これほどまでもてはやされるようになったのか。背景を探った。 ●企業の9割重視 「相手の目を見てはっきり話す。印象はかなり違うよ」。人材コンサルタントの声が飛ぶ。東京都内の人材支援会社。就職活動中の青山学院大4年の男子学生は定期的に面接指導を受けている。「ボディーランゲージも使い適度な声量で話す。コミュ障(他人との付き合いが苦手なこと)ですが、コツはつかめてきました」 面接でうまく振る舞いたい。就活生がそう望むのは企業から求められていると考えるためだ。経団連の企業調査によると新卒採用選考で特に重視する要素は、コミュニケーション能力が13年連続首位。2016年卒採用では約9割が挙げた(図)。