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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (8)

  • ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば

    マルキストの経済書を手にするなんて、滅多になくてね。でも、ブレイディ・みかこさんの気風の良さが好きで『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を読んでしまったよ。筆者も齢で、まさにオールド・ケインジアンだから、資主義の擁護者になるわけだが、世の中がどんどん右へ行ってしまい、昔は保守流のど真ん中にいたのに、いつしか左に位置するようになった。国民のための経済を語らなくなったのは、右派も同じだと思うな。 ……… 筆者の信条は「経済成長を実現し、福祉国家を建設する」である。これは、高度成長期には、自民党の党是だった。今の世の中は、「経済成長はムリだから、福祉国家を抑制する」になり、果ては、「経済成長のため、福祉国家を圧縮する」なんて倒錯した主張まである。筆者は、経済成長も、少子化克服も政策次第と考えるから、敗北主義にしか思えない。若い人たちが将来を悟って達観するなんて、おかしくないか。 ポイントは、ど

    ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 消費回復への甘い期待と法人減税への依存心 - 経済を良くするって、どうすれば

    9/5のロイターの「焦点・政府の増税判断で秋データも」を読むと、財政当局は、消費の落ち込みを、気で天気のせいだと思っているようだね。7月毎勤の賃金は良かったので、気持ちも分からなくはないが、大規模・製造業に重心のある速報値だし、そもそも、ボーナス要因は一時的だ。サンプル数が1/5で振れがあるとは言え、家計調査の動向を見ると、あまり期待してはいけないと思う。 こういう図の作り方は普通しないけれども、二人以上世帯の実質消費支出と勤労者世帯の実質実収入を重ね合わせると、こうなる。消費の低迷は、駆け込みの反動による買い控えではなく、増税でお金が減ったことでの減退にしか見えない。消費や収入の前年度平均である100前後の「水面」まで6ポイントも差がある。このギャップを埋めるほど、賃金を高めるには長い時間がかかる。 8月分の「消費税率引上げ後の消費動向等について」が判明したが、車は低迷し、家電も飲

    消費回復への甘い期待と法人減税への依存心 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 家計消費は戦後最大級の落ち込み - 経済を良くするって、どうすれば

    いや、激烈な結果だったね。4-6月期のGDP速報の結果は、家計消費が-5.2%(年率-19.2%)にもなった。しかも、「除く帰属家賃」だと-6.2%に広がる。そのため、在庫が急増し、これが成長を支えることとなった。実質成長率は年率-6.8だが、もし、在庫増が1-3月期の駆け込みでの減少を復元する程度だったら、-8.8%まで行っていただろう。 消費の落ち込みは、1997年の前回の消費増税の時を上回り、比較可能な1994年以降で最大のもので、リーマン・ショックや東日大震災も超える。思い起こせば、基準は異なるが、オイルショックで狂乱物価があった1974年1-3月期が-5.7%であったから、これに匹敵する、40年ぶり、戦後最大級のショックである。これを人為的に起こしてしまったわけで、相当に深刻な事態だ。 他方、今日の日経の一面トップは「景気は緩やか回復続く」だが、民間調査機関の見通しは、7-9月

    家計消費は戦後最大級の落ち込み - 経済を良くするって、どうすれば
    candidus
    candidus 2014/08/15
    それでも経済は回復しているとして、消費税を上げるのか
  • アベノミクス・消費が死んだ もう立てない - 経済を良くするって、どうすれば

    今回の家計調査の結果で判明したのは、消費の惨憺たる状況だった。これは反動減の大きさを言っているのではない。消費増税によって、勤労者世帯の実質実収入の低下が前期比で-4.0にも達し、消費は今年度内に駆け込み前の水準には戻らないことが確定的になったのである。今年度はマイナス成長を覚悟しなければならない。残念ではあるが、もうアベノミクスは立ち直れまい。 ……… 現在の消費の落ち込みが反動減に過ぎず、これから戻って来るか否かは、消費性向を見れば分かる。分母の収入は安定しているので、駆け込みで分子の消費が伸びると消費性向は上がり、反動減で下がり、結局は元へ戻る。実際、10-12月期に75.1だった消費性向は、1-3月期に79.0になり、4-6月期には73.1になった。だから、あと2.0ポイントくらいは、消費の戻りが期待できる。 問題は、この半年間に、勤労者世帯の実質実収入が-4.0も落ちていることだ

    アベノミクス・消費が死んだ もう立てない - 経済を良くするって、どうすれば
  • 経済の長期停滞説を考える - 経済を良くするって、どうすれば

    長期停滞 (KitaAlps) 2014-07-16 10:17:11 >筆者は、「設備投資は金利より需要リスクに強く影響される」という考え方なので、ある意味、疑問が生じない。当の問題は、パラダイムに潜んでいるというのは、ままあることだ。 まったく、そのように思います。付け加えれば・・・ 軽微な不況など、均衡成長経路周辺の軽微な景気変動下では、「金利」は、設備投資に重要な影響を与えていると思います。しかし、現在のような重い不況下では、金利が重要性を失い、需要の見通しが大きな影響を持つ状況がありうるということだと思います。 設備投資の決定要因としては、ざっくり、①投資による売上収入の増加見通しと、②コスト(設備投資コスト+運営コスト)の見通しの2つがあります。 金利は、②のうちの、そのまた、ごく一部に係わるわけです。一方、①の売上収入の見込みは、需要の見通しに左右されます。これは企業毎に区

    経済の長期停滞説を考える - 経済を良くするって、どうすれば
  • アベノミクス・想定内の破綻 - 経済を良くするって、どうすれば

    5月の家計調査について、ロイターの事前予想は、前年同月比の中央値が-2.0%、最小値でさえ-4.0%だったところ、一昨日の結果は-8.0%にもなった。誰も考えなかったほど大幅な「想定外」の落ち込みである。しかるに、財務相は公表後の記者会見で「想定内」。アベノミクスが危殆に瀕しても、泰然として国民を安んじようという配慮なのかもしれない。田内閣参与は、実質賃金の低下を憂慮しておられるようだからね。 さすがの日経も、昨日は「所得目減りが消費に重荷、物価高に賃金及ばず」として、もはや「想定内」の文字はない。コラムは、先月の家計調査の公表の時、既に所得の低下に警鐘を鳴らしていたし、消費増税の幅が大き過ぎて春闘の賃上げでカバーできないことは、それ以前から繰り返し指摘してきた。起こって当然のことが現実化しているわけだが、アベノミクスの想定シナリオは、確か「増税を賃上げで乗り越える」ではなかったか。

    アベノミクス・想定内の破綻 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 消費と輸出の不振で迎える消費増税 - 経済を良くするって、どうすれば

    金曜に12月の月次統計が公表され、民間調査機関の10-12月期GDP予想も出揃ったが、日経によれば、年1.8~4.1%成長とバラついたようだ。一番低いのがニッセイ研の斎藤太郎さんだが、筆者の感じは、これが一番近い。需要重視の家計調査派なのでね。消費増税まで、あと2か月。日経済は、この基調の低さの中で、試練を迎える。 ……… 家計調査の傾向は、前回分析したのと変わらない。二人以上の世帯の季節調整済の指数は、前月比-0.7の98.8だった。これで10-12月期は、前期比+0.5だから、消費は、概ね年2%成長ということになる。その中で、基調を示す「除く住居等」は、前期比-1.8と低迷した。つまり、弱い基調に自動車などの駆け込み需要が乗り、ようやく2%成長になっているということである。 また、勤労者世帯で見ると、季節調整済の指数は、98.7と前期比+0.1に過ぎない。名目実収入は+0.1であるも

    消費と輸出の不振で迎える消費増税 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 経済思想が変わるとき 1 - 経済を良くするって、どうすれば

    ここまでアベノミクスが上手くいっていながら、そのまま保とうとはせず、一気の消費増税という、すべての成果をドブに捨てるようなことをしてしまう。それは、なぜだろうか。そこには、需要を抜いても経済には決定的な悪影響はないという極めて強固な思想がある。普通の人には奇妙に聞こえるだろうが、これは「合理性」に基づくものなのだ。 ……… 現在の経済学の基礎には、人は利益を最大化するよう行動するという「公準」がある。「公準」とは、すべての理論の基礎となる前提のようなものだ。そして、この前提に立つと、合理的な人は、資金や労働力が余ってムダになっている状況を放置したりせず、必ず、それらを利用し、生産を増やして利益を得ようとするだろう。そうすると、世の中には余資も失業もあり得ないことになる。 この理屈は、世の中に不況は存在しないと言うようなものなので、普通の人にとっては、「まさか」という話である。現実に、超低金

    経済思想が変わるとき 1 - 経済を良くするって、どうすれば
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