腸内の慢性的な炎症は、脳を含む体全体に害を及ぼす可能性がある。しかし、自分が食べるもの(そして食べないもの)によって、炎症に影響を与えることができる。(PHOTOGRAPH BY GILES PRICE, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) 炎症を抑え、心血管疾患やがんなどの病気のリスクを減らす健康的な食事。それらに含まれる重要な成分の効果を示す証拠が、過去数十年で数多く積み上げられてきた。そして今、科学者らが特に力を入れて取り組んでいるのが、腸内にすむ細菌などの微生物のコミュニティー、「微生物叢(そう)」(マイクロバイオーム)の研究だ。 腸内の微生物叢は、食品やその成分が炎症反応を引き起こしたり抑えたりするのに関わっており、最終的には病気の進行やがん治療への反応にも影響を与える。研究者らは、腸に焦点を当てることにより、食事を薬のように利用して慢性疾