ワイリーは本書において戦略の総合理論を構築することを試みている。そもそも戦略とは「何かしらの目標を達成するための一つの「行動計画」であり、その目標を達成するために手段が組み合わさってシステムと一体となった、一つの「ねらい」である」と定義される。戦略についての研究を行う手法についてワイリーは戦略を順次戦略(Sequential strategy)と累積戦略(Cumulative strategy)にパターン化することと先行する戦略思想の分析によって行うことを提案している。これまでの戦略思想としてはクラウゼヴィッツに代表される大陸理論、マハンに代表される海洋理論、ドゥーエに代表される航空理論そして毛沢東に代表される革命理論の四つに区分している。これら戦略思想の分析から戦略の総合理論の前提を抽出すると四つの条件が明確化できる。第一にいかなる防止手段が講じられようとも戦争は起こり、第二に戦争の目的