民主党衆院議員・永田寿康の2月16日の「偽メール」質問事件から1カ月。「偽物」と認めざるを得なくなった同党と代表・前原誠司は瀕死の政治的ダメージを負い、立ち直りのきっかけすらつかめない。あの日、首相・小泉純一郎は間髪入れず「ガセネタ」と断じた。その瞬間、前原の敗北は決していた。致命的だったのは情報収集・評価能力でも危機管理能力でもない。権力闘争とは何か。その本質を知らしめた一瞬の勝負だった。 「郵政解散」のデジャ・ヴュ 「ガセネタをもとに国会の委員会で取り上げるのはおかしい」「(小泉政権への)不信を募らせるため事実無根の話を取り上げたんだろう」。小泉はライブドア前社長・堀江貴文が自民党幹事長・武部勤の二男に3000万円の送金を指示したという「永田メール」を一刀両断で「ガセ」と断定した。永田の「爆弾質問」のさく裂からわずか半日後だった。 武部は記者団にメールの疑惑を全面否定し、小泉を首